スキマバイトサービスを展開する「株式会社タイミー」。急成長する企業だ。
タイミーは、ユーザー体験を何よりも大切にし、シームレスで快適なサポートを提供することを常に追求している。ユーザーにとって、問い合わせ対応は単なるサポートの一環ではなく、サービス全体の価値を左右する重要な接点だ。事業の成長に伴い、タイミーはサポートの質をさらに高め、ユーザーへの価値提供を向上させる必要性を感じていた。
その鍵を握るのは、次世代チャットボットと生成AIへの期待だった。
タイミーは、「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに掲げ、「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」を展開しています。2024年9月現在、ワーカー数は900万人、導入事業所は297,000拠点を突破。2024年7月26日、東京証券取引所グロース市場への新規上場を達成しました。
カスタマーサポート本部には大きく3つのセクションがあります。
1つ目が、最前線でお客様対応をするオペレーション部。次に、カスタマーサポートのヒューマンリソースを担い、オペレーターの採用、研修と品質管理を担当する人材開発(HRD)部。そして最後に、業務改善を担い、FAQ管理・チャットボットの運用などを担当するカスタマーエクスペリエンス(CX)部があり、ワーカーと事業者の双方がタイミーを快適にご利用いただくサポートをしています。
CX部の中にはナレッジマネジメントグループがあり、ここではユーザー対応を行う際に利用するナレッジの蓄積や、ユーザーがオペレーションを通さなくても解決できるようにFAQ・チャットボットのメンテナンスを担当しています。
CS本部は、会社にとって非常に重要な役割を担っており、事業成長の大きな要因と認識されています。カスタマーサポートは単なるサポート提供に留まらず、ユーザー体験の向上に貢献することが求められており、そのために生成AIなどの新技術の導入をはじめ、従来の人海戦術とは異なる形でのサポート提供が期待されています。また、自己解決の推進はコスト削減が目的ではなく、サービスの価値である「”すぐに”働きたい人」と「”すぐに”働いてほしい人」のマッチングに直結しており、ユーザーが自身で問題解決できる理想的な形を目指しています。
もちろん、我々のサービスはマッチングプラットフォームである以上、トラブルは発生します。その際には、どれだけ時間がかかってもユーザーの体験をしっかり支えることが重要です。サポートすべきところにはしっかり注力し、タイミーを継続して利用してもらえるよう、価値の最大化を図っていくというのが我々の考えです。
タイミーの事業が急成長する中で、お客様により豊かでエフォートレスな体験を提供したいという思いがありました。お客様の課題解決にかかる時間を限りなくゼロに近づける、そのためにはAIを活用し、CSに問い合わせずに課題を解決できる環境が必要です。この未来を実現するために、既存のチャットボットを新しいものにリプレイスする必要があると感じたことが大きなきっかけです。
また、繁忙期は平均で3割ほどお問い合わせが増加します。特に12月がピークで、10月から徐々に増加し始めますが、基本的に人員は増やさず対応しています。また、台風などの天候にも影響され、キャンセルによって問い合わせが急増することもあります。一般的なCSの常識にとらわれていると、このような状況への対応は厳しいため、今回のようなAIによる自動対応領域の拡大が必要だと感じています。
加えて将来的な発展を見据え、私たちも新しい取り組みを通じてお客様への価値提供をさらに進化させていきたいという思いがありますので、カラクリさんのようにCSに特化して発展させようとしている会社のツールを使いたいという点も大きな理由として挙げられます。
10社近く話を聞きましたが、各社に違いがあり、その中で自分たちの未来に最もフィットするものはどれかを見極めるのは難しかったです。実際に導入してチャットボットのトレーニングを行うまで、その結果は見えませんが、できる限りリアルに結果が見える会社を重視して検討していました。
絶対に必要だったのは、データの取得のしやすさです。お客様がどのような問題を抱えているか、それに対してどんな回答を提示してどのような結果になったかを取得できることが大前提でした。カラクリさんの場合、欲しい時にリアルタイムのデータをすぐにダウンロードできる点が非常に大きなポイントでした。
会社によっては、このデータはダウンロード可能だけど、詳細なデータは営業を通じて取得してくださいというパターンが多かったです。特に、ローデータを直接ダウンロードできるところは意外と少ないという印象を受けました。
先ほどお話したように、データの取得がしやすく、必要な情報をすぐにダウンロードできる点が非常に良かったです。それに加え、チャットボットに関する深い知識と厚いサポート体制も決め手となりました。私たちもチャットボットのメンテナンスやトレーニングに取り組んでいますが、自分たちでは気づかない部分も多く、カラクリさんのような専門家のサポートは非常に助かります。また、有人チャットやCRMとのシームレスな連携が可能であることや、高い拡張性も重要なポイントでした。
カラクリさんは、最先端の取り組みをしている印象があり、新しいことに挑戦し続ける姿勢や、生成AIの導入における柔軟な対応など、他社にはないサポート体制と革新性を持っていることが非常に魅力的です。私たちもカスタマーサポートの常識を変えていきたいと考えており、その革新を目指す姿勢やスタンスが共感できることから、カラクリさんを信頼し、パートナーとして選びました。
チャットボットの構築において、カラクリさんには私たちのクオリティへのこだわりを汲み取っていただき、細かい改善提案をいただけたことが非常に助かりました。
まずは、チャットボットを利用するお客様に回答を提示することが第一段階だと考え、リリース後は回答率を見ています。ほとんどのお客様に回答が提示できるようになったら、次のステップとして回答精度を上げる仕組み作りを進めていければと思います。
文書の言い回しやニュアンスについては統一するようにしていて、丁寧すぎずカジュアルでわかりやすい表現を心がけています。1つの事柄に対して複数の言い方ができる場合も、統一するための指針を設けています。また、ナレッジの構成についても、どこに何を入れるかを決めて、お客様が毎回読み方を考えなくても済むよう工夫しています。
タイミーのワーカー様は年齢や性別が多様で、幅広い層にご利用いただいています。事業者様には、飲食店の店頭で働く方から本社勤務の方までさまざまな方が含まれています。そのため、読みやすさやポジティブな表現を重視し、気持ちよく継続的にサービスを利用していただけるよう心がけています。
従来のカスタマーサポートは、お客様が問い合わせする際の心理的負担や時間のコストが高いと感じます。そこで、チャットボットをはじめとしたツールを活用し、お客様ご自身で簡単に問題を解決できる世界を実現したいと考えています。加えて、問い合わせが必要な場合でも心理的な負担を少しでも和らげることを目指しています。
また、サービスでお客様が困らないことが最も重要だと考えており、日々、改善を進めています。その改善をさらに加速させるために、カラクリのデータを活用し、タイミー全体でPDCAを回していく未来を目指しています。中期的な展望としては、チャットボットで解決したい方、直接問い合わせたい方、口コミで解決したい方など、それぞれのお客様が最適な解決方法を選べる選択肢を増やし、その中でより良い回答を提供できるよう、カラクリのトレーニングを強化していきたいと考えています。
生成AIは、まだ使い手のスキルが求められる部分がありますが、近い将来、知識がない方でも正しい回答にたどり着けるような仕組みができることを期待しています。私自身、生成AIを完璧に使いこなしているわけではありませんが、カラクリさんと一緒にうまく付き合っていける未来を作れたら嬉しいです。
今のカスタマーサポートの世界は、「わからないことがわかる」状態で能動的にアクションを起こさなければ解決できないという状況ですが、これを変えていく必要があります。
私たちが目指すのは、頑張らなくても、困った瞬間に自分が何に困っているか分からなくても、自然と解決に導かれる仕組みです。そんな世界が当たり前になると信じていますし、それを創り出すのが私たちの役割だと思っています。ぜひ一緒にCSの世界を変えていきましょう。
株式会社タイミー
本社:東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター 35階
設立:2017年8月
事業内容:アプリケーションの企画・開発・運営
企業公式URL:https://corp.timee.co.jp/
【取材に対応していただいた方々】
株式会社タイミー カスタマーサポート本部 本部長 片桐 俊之 氏
株式会社タイミー カスタマーサポート本部 ナレッジマネジメントG マネージャ 大鹿 公豊 氏
株式会社タイミー カスタマーサポート本部 ナレッジマネジメントG リーダー 神田 千秋 氏