“人がやらなくてもいい作業をゼロへ”、BPOと生成AIで未来を見据えた業務改革|株式会社TENTIAL

ウェルネス事業を展開する「株式会社TENTIAL」。

同社は、自社ECサイトや複数のモールから寄せられる膨大な問い合わせに対応しつつ、様々な改善サイクルも回していかなければならなかった。しかし、限られたリソースの中で日々の業務と並行して行うことは、大きな負担となっており、後手になってしまうケースが多かった。

そこでTENTIALは、BPOサービス「KARAKURIオペレーションセンター」と生成AIの導入を決断。果たして、どのようにしてこの課題を克服し、業務の効率化を実現したのか。

株式会社TENTIALについて

まず、株式会社TENTIALについて教えてください

弊社は「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す」をミッションに、コンディショニングブランド「TENTIAL」を展開しています。

膨大な問い合わせ対応によるチームの停滞からの解決策を模索

BPOサービス「KARAKURIオペレーションセンター」を導入したきっかけを教えてください

当社では自社ECサイトに加え、楽天やAmazonなど複数のモールを運営しており、各チャネルから多くの問い合わせが寄せられています。本来であれば問い合わせや商品レビューの対応を行いながら、並行して対応品質の向上、セルフサービスの強化、VOCの活用などやりたいことが多くありましたが、問い合わせの量が多く、お客様対応に大半の時間を割いている状態でした。結果的に問い合わせ対応以外の業務が停滞し、CSの成長が鈍化していることを危惧していました。

こうした課題を解決するために、カラクリさんのBPOサービスと生成AIを活用し、お客様対応以外の業務速度を加速させ、結果としてより良いお客様のサポートが提供できる体制を整えたいと考えました。

課題の解決をより早く、そして効果的に進めるために導入をしたということですね。導入にあたって不安な点はなかったですか?

カラクリさんとは既に実績があり、当社のCS(カスタマーサポート)チームの考えを理解して進めていただける点、生成AIについての知見や技術が豊富で最新の情報をキャッチアップしていただける点で信頼をしていました。加えて、チームへのインプットも丁寧に行って頂けるので、成果物がしっかりと形になりつつ、チーム全体のスキルアップや成長ができると感じました。

なぜこのタイミングでBPOサービスを導入されたのでしょうか?

今がまさに生成AIによるCS業務の革命期だと感じているからです。生成AIを含めた技術が急速に進化しており、人が「人だからこそできること」に集中できる時代が近づいていると考えています。すでにKARAKURI assistでの生成AI活用などには動いていましたが、今のタイミングで強化するべきだと判断し、導入に踏み切りました。

膨大なデータ処理をBPOと生成AIで加速、オペレーター負担を軽減

具体的にどのような取り組みを進めているのでしょうか?

現在お話できる点は2つあります。1つは問い合わせデータ分析の精度向上や効率化をするために、タグ付け作業を生成AIで自動化しています。以前は、オペレーターが手作業でタグを付けていましたが、件数が多く、人によって基準がブレたり、忙しい時には精度が下がってしまうことが課題でした。

生成AIを導入することで、基準を一定に保ちながら、正確かつ迅速にタグ付けができるようになり、オペレーターの負担を大幅に軽減することができました。また、膨大なデータの処理がスムーズに進むようになっただけではなく、簡単にタグをつける条件を変更できるため、多角的なデータ分析ができるようになった点も大きいです。

もう1点は「品質チェック」です。私達はこれを「GoodMotto」と呼び、対応の良かった(Good)、もっと改善できた点(Motto)などを洗い出し、月に1〜2回、数件の対応を各Buddy(メンバー)へFBする仕組みを導入していました。

しかし、品質管理は一部の対応をチェックするだけでは価値がないと考えており、生成AIを活用し全てのテキスト対応をチェックするという取り組みを部内で進めていました。当初、細かい部分で上手くいかない点が発生していましたが、その点をフォローいただき、毎日全ての対応が翌日までに品質評価される仕組みを構築することができました。

BPOサービスを導入する前と後では、業務の進め方に変化はありましたか?

一番大きな変化は、やりたかったことが想像以上の速度と精度で実現できていることです。例えば、先ほど挙げた2つの取り組みも人が行おうとすれば、どれだけリソースを投入しても実現が難しいですが、生成AIを活用することで毎日でも対応が可能になりました。その結果、作業が大幅に減り、分析やフィードバックなどのより付加価値の高い業務に人の工数を割り当てることができるようになったのは大きな進化だと考えています。

外部の視点で発見、BPOサービスがもたらした新たな業務改善のヒント

生成AIやBPOサービスを導入したことで、どのような変化がありましたか?

3つの変化があったと感じています。

まず1つ目は、これまで諦めていた業務にも取り組めるようになったことです。工数や改善の道筋が見えずに後回しにしていたものを計画に組み込めるようになりました。また、先にお話した品質管理のように弊部Buddy(メンバー)が進めようとしている内容のサポートをしていただくことで納品物の品質が向上したと感じています。

2つ目は、第三者視点からのアドバイスをもらえるようになったことも非常に大きいと感じています。カラクリさんからの何気ない質問で「確かに、これは課題だな」と気づくことがありますし、やりたいと考えていたことをより良い形で提案していただく機会も多いです。生成AIの知見を持つ方が、内部に入り込んで運営フローの細かい部分を見てくれることは、貴重な体験だと思います。

3つ目は、心理的な負担が大幅に軽減されたことです。以前、派遣スタッフで業務を補おうとしましたが、生成AIなどの新しい知識をキャッチアップしてもらう必要があり、対応が難しい場面が増えていました。その結果、現場に負担がかかり、疲弊する状況が続いていました。しかし、カラクリさんのBPOサービスを導入したことで、リソース不足が解消され、業務が安定し、今まで目の前の業務に追われていた状況から脱却できるようになりました。これにより、短期的な対応に追われることなく、3ヶ月後や半年後を見据えた長期的な視点で計画を立てる余裕が生まれました。

さらに、業務の安定に伴い、これまで顕在化していなかった課題が浮き彫りになり、メンバーから「カラクリさんに相談してもいいですか?」という声が増えました。これは、カラクリさんがメンバーにとって拠り所となり、課題を見つける余裕ができたからだと思います。その結果、現場で抱えていた悩みや課題が言語化され、「そんな問題があったのか」と新たな気づきを得ることも多くなりました。

切り出し型ではない、伴走型BPOがもたらす継続的な業務サポート

カラクリと他社のBPOサービスの違いについて、感じている点はありますか?

他社のBPOサービスは、決められた範囲で業務を請け負う「切り出し型」が多い印象があります。つまり、特定の業務だけを依頼し、それを完遂すれば終わりというスタイルです。

しかし、カラクリさんは業務を共に進めるパートナーとして、生成AIの活用だけでなく、当社のメンバーがスキルを向上させるための支援もしてくれます。「やりたいこと」を理解していただくのはもちろん大事ですが、考え方や進め方に改善の余地があれば指摘していただけるのが本当に心強いですね。また、言語化がむずかしいですが、それができるCS業務の知見があることも強みだと感じています。単なるシステム的な解決策ではなく、お客様対応をしているBuddy(メンバー)目線まで考慮して話が自然に進むのは不思議な体験です。これが他社との大きな違いだと感じています。

最後に今後の展望をお聞かせください

現在、部内で進めているのはSVの業務の一部を生成AIで担う取り組みです。生成AIは、これまで蓄積されてきた知識や過去の対応事例、それに基づく判断基準との相性が良いと考えており、部内専任者を立てつつ、カラクリBPOの方にサポートいただきながら進行中です。
CS業界全体という意味では、生成AIとCSを組み合わせたサービスの導入ハードルがもっと下がると良いなと感じています。単にツールを導入するだけでなく、生成AIをCSにどう活かすかという具体的な提案が増えれば、業界全体での普及も加速していくと思います。他社での導入事例が増えていくことで、さらに効果的な活用方法が見えてくると思うので、そうした事例の共有や新しい取り組みの広がりが楽しみですし、当社CSもその一助になることができればいいな、と考えています。

また、労働人口が減少する中で、こうした技術の活用は不可欠だと感じています。現在、オペレーター支援ツールのKARAKURI assistを導入していますが、生成AI機能を使いこなしているのは一部のメンバーに限られています。今後、生成AIの活用が進めば、工数削減など業務効率化の効果も期待できるため、全員が当たり前に使える文化を作ることができれば良いなと思っています。

私たちは人がやらなくてもいい作業をゼロに近づけていくことを目指しており、今回は生成AIに特化した内容になりましたが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入などを含めて様々な施策を検討しつつ、引き続きカラクリさんのBPOのサポートを通じて実現していきたいです。






本社:東京都品川区北品川6-7-29 ガーデンシティ品川御殿山 西館5階
設立:2018年2月6日
従業員数:100名(2024年2月1日時点)
事業内容:ウェルネスブランド「TENTIAL」の運営
企業公式URL:https://tential.jp/

【取材に対応していただいた方々】
株式会社TENTIAL ブランド戦略本部 CS部 部長  谷合 北斗 氏

業種ごとに複数の事例をまとめた導入事例集で
具体的な効果の詳細をご覧ください

事例でご紹介した企業

株式会社TENTIAL

本社:東京都品川区北品川6-7-29 ガーデンシティ品川御殿山 西館5階
設立:2018年2月6日
従業員数:100名(2024年2月1日時点)
事業内容:ウェルネスブランド「TENTIAL」の運営

https://tential.jp/

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