分断していたマーケ・CS部門間のデータ連携の課題を解決|株式会社AOKI

AOKIについて

貴社の事業について教えてください。

メンズ・レディースのスーツ専門店として、ビジネス・フォーマル・カジュアルと幅広く、AOKI・ORIHICAの2ブランドを展開し、全国に約600店舗を構えています。

また、オンライン上でも実店舗と同じ体験をしていただけるよう「チャットスタイリングサービス」や「カスタマーサポート」のチャット接客も展開しています。チャットスタイリングサービスは、オンラインショッピングでは伝えることが難しいサイズ感やコーディネートの合わせ方など、お客様がスーツの購入を検討する際の悩みを解決できるサービスです。実店舗で接客を経験したスタッフが有人チャットでお客様の不安や悩みにお応えしており、「実店舗に行く前の下見」としての役割も担っております。ORIHICAは2021年2月から、AOKIは2021年11月から開始しました。

2部門が別のチャットシステムを活用しており、データの分断が課題だった

KARAKURI導入に至る前は、どのような課題があったのでしょうか。

マーケティング(チャットスタイリングサービス)とカスタマーサポートが異なるチャットシステムを使用していたため、顧客情報の共有や部門間のエスカレーションに課題がありました。

例えば、返品問い合わせをしたいお客様が、スタイリングのチャット窓口にアクセスした場合、カスタマーサポートのチャットへ接続し直す必要がありました。その上、問い合わせ履歴が共有できないために、お客様に同じことを説明させてしまうといった仕組みだったので、直接不満の声をいただくこともありましたし、疑問が解消していないのに、面倒だからと問い合わせをやめた方も、中にはいらっしゃったと思います。

また当社はCRMツールにSalesforceを活用しているのですが、そちらにチャット接客のデータをすべて連携できていないことも課題の1つでした。より高い顧客体験を提供するために、データの統合は必須でしたので、それら全てを実現できる方法はないか模索しておりました。

マーケティング目線とカスタマーサポート目線。2つの要件を叶えたKARAKURI

今回、リプレイスを決断した理由をお聞かせください。

お客様にご不便をおかけしている状況をなんとか改善したいという思いからです。データが分離していることによって起こる弊害は、サービスを運営する上で大きな損失だと感じていました。

また、チャットスタイリングサービスを、今後も大事なサービスの1つとして続けていくと決めたのも大きな要因ですね。導入して2年、十分な手応えを感じており、当社の財産となるサービスだと判断しました。

異なる2つのチャットシステムにかかるコストを、統合して削減したいという思いもありました。

ただ、最初からリプレイスありきで考えたわけではありません。導入していたチャットシステムのどちらかに1本化することも選択肢にありました。 改めてどのようなシステムが必要なのか、根本的な要件定義の見直しを行い、求めている用件を満たすには、新システムの導入が不可欠だという結論に至りました。

KARAKURIを選んだポイントを教えてください。

利便性とコンサルテーションを重視するマーケティング目線と、個人情報のヒアリングを行うためセキュリティ重視のカスタマーサポート目線。チャットを利用している2つの部署の要望が全て網羅されているサービスだったからです。

どちらかに絞るのであれば、多くのサービスが候補にあがりました。しかし、両方の要件に合致するサービスはなかなか見つかりませんでした。それだけ当社が求めるハードルは高かったと考えております。最終的に4社で比較検討した結果、最後に選んだのが「KARAKURI」シリーズでした。

セキュアな環境を保った上での課題解消など、弊社の求めているシステム要件を満たしてくれたこと。また、豊富な導入実績があることも安心材料となりました。加えて、「KARAKURI skills」といってチャットボットの機能拡張が充実しており、Salesforceなど当社の既存システムとの連携がスムーズなのも、非常に大きなメリットとして感じました。

部門間の導入となると、ハードルが高かったのではないでしょうか。

部署をまたぐプロジェクトとなったため、確かに調整は必要でしたが、お客様のために必ず必要なことだと両部署の共通認識があったため、特に部署間で意見に相違がでるということはありませんでした。 何より、当社に寄り添ってカラクリ社が提案をしてくださったことも大きいと感じております。

チャットシステムと一言でいっても部門毎に用途が異なるためハードルの高い構築力が必要となります。100ページくらいの提案資料を用意し、部門横断による壁を一つひとつクリアにしてくださる方法を考えてくれました。

導入前にチャット市場を理解したコンサルテーションの役割を果たしてくださり、カスタマーサクセスの成果創出についてのディスカッションなども実施していただきました。導入後の成功イメージを掴むなど非常に熱意のこもったご提案もあり、とても心強かったですし、信頼できるパートナーになっていただけると感じました。

分断された部門間でのデータ共有で「先読みしたチャット接客」が可能に。それぞれの部門で導入効果を実感

実際に導入してみて、良かったと感じる点は何でしょうか。

現場の大きな課題だった、両部門の情報共有やエスカレーションが非常にスムーズになりました。直感的で使いやすい管理画面のため、特に戸惑うことなく連携できています。

各部門ごとで言うと、チャットスタイリングサービスにおいては、お客様の流入ページやチャットボットの問い合わせ履歴がわかるなど、有人チャットで応対する上での情報が増え、きめ細やかなチャット接客ができるようになりました。

使いだしてまだ間もないですが、チャットを通したお問い合わせ件数は前年比で増加しています。お客様から御礼の言葉をいただくことでカウントする、「対応完了率」という当社の指標も、かなり上昇しました。その理由に有人チャット機能の充実が挙げられます。チャットに画像を貼り付けられることや、チャットの離脱がわかるようになったことで離脱数を減らせていることが要因です。

カスタマーサポートでも、お客様が有人チャットに問い合わせる前にどのページを見て、自動応答のAIチャットボットにどのような質問をして何を回答されたかなどの顧客体験の経緯を確認できることで、お客様の困りごとを先回りした対応が可能になりました。

画像の送付も便利で、商品の不良箇所や、お困りのウェブページの該当箇所などを画像でやりとりできるため、状況把握がスムーズになりました。 また有人チャットに対して受けきれないお問い合わせが来た場合、「待ち呼」の把握ができるようになったことで応対の効率もとても上がっています。

体感ですが、導入前と比べて、15〜20%は、応対時間を短縮できており、お客様をお待たせしてしまうことが減りました。顧客満足度の向上に繋がっていると感じています。

今後、Salesforceとの連携で、本人認証をほぼ自動化していく予定だそうですね。

そうですね。今回のリプレイスの要件として、ECおよびアプリにログインしているユーザの情報を保持してチャット応対を開始できるようにしたいと考えております。本人認証の自動化が実装できれば、お客様にとって「本人確認」の手間が省けます。また、当社スタッフとしても直近の購入履歴などを確認した上で、対応ができるのでチャット上での接客体験をより向上させられると期待しています。カラクリ社にも協力していただきながら実現したいと考えています。

データドリブンな組織でOMOを促進、ワンランク上の接客体験の向上を目指す

「KARAKURI」シリーズから得られるデータをどのように活用していこうと考えていますか。

お客様が不満をいだく状況を確認するなど、社内の対応ルールやガイドラインのアップデートに活かしたいと考えています。

KARAKURIのレポートは、お客様からいただいたアンケートの結果からスタッフ1人あたりの対応時間まで、非常に項目が細かく、経験の浅いスタッフへの指導に役立てられると考えています。

また当社のチャット接客の目的は、単純な売上の向上ではありません。チャットスタイリングを「実店舗に行く前の下見」として利用するお客様も多いからです。対応完了率を重視しているのも、店舗とECの相互成長を視野に入れています。チャットサービス体験そのものに価値を感じ、実店舗でさらに感動していただきたい。接客の質を高めるために、データを使っていきたいです。

それぞれの部署が描く今後の展望をお聞かせください。

チャットスタイリングも、カスタマーサポートも、チャットボットで解決できる領域を拡げていきたいと考えております。チャットボットで対応できない複雑なご要望や、人だからこそ対応できるお問合せを、有人チャットで対応させていただく。このような、ハイブリッドな体制をつくっていきたいと考えています。

たとえばスーツのサイズは、単純なS/M/Lでは測れません。精緻な採寸が必要となり、ECでは買いづらい商品です。チャット接客が、お客様の安心につながるよう、より一層磨きをかけたいです。

AOKIとORIHICAには独自のスタイリスト制度があり、高い接客力が強みと考えております。カラクリ社にもお力添えいただき、オンラインでも、店舗でもお客様にご満足いただける接客を追求していきたいと考えております。




株式会社AOKI 会社概要

メンズ・レディースのスーツ専門店として、ビジネス・フォーマル・カジュアルと幅広く、AOKI・ORIHICAの2ブランドを展開し、全国に約600店舗構えています。また、オンライン上でも実店舗と同じように気軽に販売員に質問ができるように、「チャットスタイリングサービス」も展開しております。

住所   : 〒224-8688 神奈川県横浜市都筑区葛が谷6-56

設立   : 2008年4月1日

代表者  : 代表取締役社長 森 裕隆

事業内容 : 紳士服・婦人服及び服飾品並びにファッション商品の企画販売

URL   : https://www.aoki-style.com/

【取材に対応していただいた方々】

・株式会社AOKI WEB事業部 リーダー 山下勉氏
・株式会社AOKI WEB事業部 チーフ 田部井 裕子氏
・株式会社AOKI 経営戦略室 マネジャー 渡辺啓太氏
・株式会社AOKIホールディングス メディアリレーション推進部 コンタクトセンター 係長 鹿倉 孝葉氏
・株式会社AOKIホールディングス デジタルサービス推進部 係長 梅村 佳織氏

業種ごとに複数の事例をまとめた導入事例集で
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事例でご紹介した企業

株式会社AOKI

メンズ・レディースのスーツ専門店として、ビジネス・フォーマル・カジュアルと幅広く、AOKI・ORIHICAの2ブランドを展開し、全国に約600店舗構えています。また、オンライン上でも実店舗と同じように気軽に販売員に質問ができるように、「チャットスタイリングサービス」も展開しております。

https://www.aoki-style.com/

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