多岐にわたるPontaに関する問い合わせを「迷わず自己解決」に導く設計力に惹かれ、チャットボット・FAQを導入|株式会社ロイヤリティ マーケティング

ロイヤリティ マーケティングについて

導入したサービスについて教えてください

KARAKURI smartFAQとKARAKURI chatbotを導入しました。

ロイヤリティ マーケティングは、「無駄のない消費社会構築に貢献する」という企業理念のもと、主な事業として、ポイント事業とマーケティング事業を行っています。

 KARAKURIシリーズを導入したポイント事業では、共通ポイントサービス「Ponta」を運営しています。このサービスは、1枚のポイントカードでさまざまな提携社でPontaポイントをためてつかえるというもの。現在、会員数1億1611万人(2024年1月末日)、提携店舗数約28万店舗(2023年4月1日)、提携社・ブランド数143社・197ブランド(2024年2月1日)と日本最大級の規模を誇る共通ポイントサービスとなっています。また、「Pontaリサーチ」「Green Ponta Action」など多彩な関連サービスも展開しています。

コールセンターに問い合わせした50%以上の方が、事前にWebでFAQを閲覧。検索精度とメンテナンス性に課題があった旧FAQシステム

カラクリ製品の導入を検討したきっかけを教えてください

当社は2010年3月に共通ポイントサービスを開始しました。当時はプラスチックのポイントカードをお客様がお店で提示して、ポイントをためてつかっていただいており、お客様対応はカードに載せた問い合わせ先に電話でご連絡いただくというスタイルでした。まだWebでのやりとりは一般的ではありませんでした。

しかし、その後急速にネットワークが発達し、誰もがスマホを持つようになりました。すでにPontaのWebサイトにFAQは用意していたものの、果たしてお客様対応がこのままでいいのか、もっとお客様に利便性を感じていただくにはどうすればいいのかと考え出したのがきっかけです。

近年はビジネスにおけるDX推進が不可欠になりました。中でもCS業界は進化のスピードが速く、AI活用なども進んでおり、もう電話とFAQのみで十分とはいえない、全体的にアップデートを図ろうと2022年の夏ごろから、CSに関するサービスの調査に入りました。

具体的に課題を感じていたのは、FAQです。検索精度の向上に時間と知識を要し、なかなか検索精度を上げられず、お客様が回答にたどりついていない様子がアンケート結果から伺えました。また、50%以上がWebやFAQページなどでお調べいただいたうえでコールセンターへお問合せいただいていることがわかりました。

運用の問題もありました。データ更新の際には、メタデータを投入したり、用意した質問ごとの重要性の重みづけなどをしたりしなければなりません。一定のスキル・ノウハウが必要なシステムだったので、少数の担当者が他にも多くの業務を抱えながら合間を見て作業するという状況下では、更新頻度を上げられませんでした。

そこで、お客様の自己解決スピードを上げて満足度向上につなげるというプロジェクトの第一弾として、まずはFAQをリプレイスしようと製品・サービスを調べ始めました。

どのような要件を挙げて探されましたか?

検索精度、メンテナンス性、価格に重点を置きました。

セミナーや展示会で情報収集したり、ベンダーにお越しいただきプレゼンテーションしてもらったり、これまでFAQシステムに携わっていたときの経験も活かしながら、4つのツールを候補に挙げました。

お客様の多様な「お困りごと」に応じたFAQコンテンツの“構造化”が心に響き、「KARAKURI smartFAQ」だけではなく「KARAKURI chatbot」も採用

 KARAKURIシリーズの導入の決め手は何でしょうか?

第一は、検索精度を上げるための工夫として、AIを有効活用していた点です。

たとえば、よく見られているQ&Aを常時表示させたり、よく検索されているキーワードを検索窓付近に表示させたりするサジェスト機能です。また、入力されたキーワードが含まれていなくても、自然言語処理AIが判別して関連性が高いQ&Aを表示させるというのもとても魅力的でした。実際、デモで操作した結果でも、KARAKURI smartFAQであれば検索精度を上げられそうだと実感できました。

また提案内容の中で非常に心に響いた設計思想がありました。

当社の場合、一口にPontaといっても、Ponta提携社が143社あって、「Pontaリサーチ」「Ponta PLAY」「Ponta 毎日動画」などのサービスも複数あり、サービスによって、お客様の「困りごと」が異なります。また、もともとプラスチックのポイントカードだけだったところから、現在はPontaアプリも広がっており、前者だけ、後者だけ、あるいは両方使っているお客様がいらっしゃいます。

そのため、お客様のお問い合わせ内容が複雑化しています。同じ「Pontaポイントが利用できません。」という質問でも、ユーザーの状況や利用しようとしているサービスによって回答内容が変わります。従来のFAQシステムで会員が質問すると、似たようなQ&Aがヒットし、正確な回答を見つけづらい状況でした。

そこでカラクリからご提案を受けたのが、チャットボットの条件分岐(※下図)という手法をつかえば、「Pontaポイントが利用できません。」と質問された時に、お客様がどういった状況でご利用いただけないかを確認し、利用者の問題を絞り込めるという内容です。

FAQコンテンツの再整備をしていき、お客様の多様なお困りごとに合わせたカテゴリー設計とチャットボットの条件分岐を活用すれば、大きく問題が解決できるかもしれないという期待が芽生え、FAQシステムだけではなく、KARAKURI chatbotの導入が急浮上しました。

メンテナンス性という観点でも、KARAKURI chatbotとKARAKURI smartFAQの2ツールを導入しても、1つのメンテナンスだけで良い点に大きく惹かれました。

KARAKURI smartFAQは、KARAKURI chatbotに登録したQ&Aデータを使って自動生成するからです。

お客様の自己解決スピードを上げて、お客様の満足度向上につなげたいというところから始まったプロジェクトでしたが、最初からお客様対応のチャネル増設ありきではありませんでした。しかし、1つの作業でFAQもチャットボットも同時にメンテナンスできるなら、それも1日10分程度のメンテナンスですむなら、両方入れてもいいのでは、ということになり、KARAKURI smartFAQとKARAKURI chatbotの採用を決めました。このようなことを実現する製品は他には見当たりませんでした。

導入後、問い合わせの解決率が5.9ポイント改善

日々どのように活用されていますか?

実際の運用としてはKARAKURI chatbotでAIが優先してトレーニングすべき対象を自動で検出する機能で提示される25件は基本として、こちらでもチャットログなどから25件ぐらい選んで、毎日50件以上はチャットボットのトレーニングをしています。

そして、その結果を見たり、お客様からバッド評価をいただいたものを深掘りして、「きっとここで迷われたんだな」などと推測し、では、このQ&Aを出すのはいいけれど、その後はこちらのQ&Aに飛んでもらった方がいいかもしれない、などと工夫したりして、日々改善を行っています。 

チャットボットは、キーワードで入力するFAQと違い、自然文で入力されるため、お客様の意図が読み取りやすくていいですね。キーワードだけですと、求められていることがわからないこともありますが、「~~だから~~」と接続詞一つ入っているだけで、意図がわかりやすく、それならあの部分のFAQをもう少し充実した方がいい、とアクションにつなげやすいです。

KARAKURI chatbotに集まる質問は、コールリーズン分析にも活用しています。たとえば、あまり起こってほしくないことですが、お客様にとってサービスの利用方法がわかりづらい状況が発生してしまった際など、コールセンターだけではなくチャットボットにもどのくらい、どういった質問がきているかを分析しています。その結果を社内担当者に共有し、対応の優先度を高めてもらう、温度感や状況をしっかり理解してもらうための説得材料やエビデンスとしても活用しています。

実感されている効果としてはどんなものがありますか?

本番導入したのが2023年6月ですが、数ヶ月後にお客様に行ったアンケート調査で、解決率が導入前から5.9ポイント改善しました。未解決の割合を減らしていきたいと思っていたため、導入後、改善されてきていることがはっきり数字で確認でき、カラクリに感謝しています。

CSに携わる者にとって、お客様にユーザー体験としてプラスアルファで良い思いをしていただきたいという点はもちろんですが、お客様がお困りであればそれをまず解決するというのが大前提だと考えております。引き続き、解決率、未解決率はシビアに見ていかなければと思っています。

内部的なことでいえば、メンテナンスは複数名で分業できるようになり、担当者の負荷も軽減しました。実は、KARAKURIシリーズのレポート機能によりFAQの改善点が見えやすくなったことで、解決のために割く作業時間はかえって増えています。しかし、これによってFAQが充実し、そしてお客様の解決率が上がる、といった具合に好循環サイクルに入ったことをうれしく思っています。

チャットボットに生成AIを駆使する未来に期待

今後の展望をお聞かせください

生成AIを活用していきたいですね。FAQコンテンツを構造化したとはいっても、お客様の短い言葉から的確に回答へ導くというのは、従来のAIではまだ難しいでしょう。

しっかり質問を引き出す仕組みであったり、それをもとにしっかり探す仕組みであったり、回答文を生成する仕組みを、生成AIで作ってチャットボットで提供していくことができれば、今後さらに自己解決率を上げられると思います。技術の発展も含めて大いに期待していますし、ちゃんと情報をキャッチアップして導入すべきところはしていきたいなと考えています。

先進的な技術は、お客様に良いサービスを提供して気持ちよく使っていただくためにも必要なものです。こうした世界は日進月歩で、なるべく早く検討して導入することが重要ですから、そういったアンテナが高いカラクリと一緒に、PoCなども積極的に行っていければと思います。 



株式会社ロイヤリティ マーケティング 

本社:東京都渋谷区恵比寿1-18-14 恵比寿ファーストスクエア 7階

設立:2008年12月1日

従業員数:320名(2023年10月1日時点)

事業内容:ポイント事業

     マーケティング事業

企業公式URL:https://www.loyalty.co.jp/

【取材に対応していただいた方々】

株式会社ロイヤリティ マーケティング カスタマーリレーション部  

業種ごとに複数の事例をまとめた導入事例集で
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事例でご紹介した企業

株式会社ロイヤリティ マーケティング

本社:東京都渋谷区恵比寿1-18-14 恵比寿ファーストスクエア 7階
設立:2008年12月1日
従業員数:320名(2023年10月1日時点)
事業内容:ポイント事業 マーケティング事業

https://www.loyalty.co.jp/

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