問い合わせの24時間対応、顧客の声の活用で
CSチャネルの拡充を実現 | 株式会社メルカリ

2022.3.21 ECKARAKURI chatbot
メルカリ事例メイン画像

日本最大のフリマアプリを運用するメルカリ
「メルペイ」など3本柱の確立でさらに大きな成長へ

 何かが必要なとき、また何かを販売したいとき、フリマアプリ「メルカリ」を利用するというのは、もはや日常の選択肢となった。「メルカリ」を提供する株式会社メルカリは、2013年7月のサービス開始以来、個人が簡単かつ安全・安心にモノの売買が可能な環境を提供、日本最大のフリマアプリへと発展した。

現在は、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」というミッションの下、メルカリ日本事業、メルカリ米国事業、メルペイ事業という3本柱の確立をめざしている。それも、メルカリ日本事業はGMV成長率40%、調整後営業利益率42%を達成、メルカリ米国事業はGMV(流通取引総額)が月間1億ドルを達成、メルペイ事業は2020年7月より新機能「メルペイスマート払い」をリリースするなど、それぞれ順調に成長中だ。

“困り事の即時解決”をめざし「KARAKURI chatbot」を導入

 「メルカリ」のユーザーが利用に際して疑問や質問を持った場合、当初はサービス内のメルカリガイドから自分で該当する項目を確認するか、問い合わせフォームよりカスタマーサービス(以下、CS)に問い合わせる必要があった。利用者数の増加につれ、同社はユーザーの利便性を考慮して、より迅速に疑問・質問を解決する方法を模索し始める。困り事の即時解決である。

よい顧客体験が提供できれば、次の利用やユーザーの広がりにつながるからだ。チャットボットはその解決策になりうると着目、多くの候補サービスの中から選ばれたのがカラクリのAIチャットボット「KARAKURI chatbot」だった。単なるパッケージサービスではなく、「メルカリ」で活用する上でベストな提供方法を考える対応力の高さが最大の選択理由だった。

 2018年10月にWeb版、同年11月にスマホアプリ版がリリースされて以降、同社のCSチャネルの中で定位置を獲得。今日では、「メルペイ」などの新しいサービスや新機能をリリースする際には、ユーザーがとまどうことなく利用できるよう質問・回答セットを追加・改修するのが、CS活動の一環となった。こうした適用の拡がりにつれて、「KARAKURI chatbot」に携わるスタッフも、大幅に増加している。

「メルカリ」がAIによる
セルフサービス拡充に注力する理由

 今、CSチームではさらに、AIを活用したお客様向けのセルフサービスの拡充やサービスの向上に注力している。なぜAIなのか。その理由を株式会社メルカリ Customer Service Technical Program Management Team Manager 平野友規氏はこう語る。

「有人対応はどうしても時間的な限界があります。しかし、AIチャットボットであればわれわれが稼働できない夜間帯でも動くことができ、24時間何かしらお答えできる体制を備えることができます。また、利用されていく中で学習が繰り返され、精度が向上していく点も評価しています」

 よい顧客体験の提供に重きを置く同社は、CSチャネルを拡充するだけでは終わらない。それらで収集できたデータの分析に力を入れ、得られた気づきをチャネルのさらなる有効活用に活かしていく。そのため、カラクリに対しても積極的に相談を持ちかける。

たとえば“出品”。同社にとって、出品増加がサービスの成長につながることは別の調査でも明らかになっていた。その一方で、取引の進め方などサービスの利用に関するサポートが多く必要なのも出品者だった。そこで、出品に関連する質問を「KARAKURI chatbot」で抽出して詳細に分析。見込み出品者が懸念なく行動を起こせるように、メルカリガイドや質問・回答セットの内容を拡充した。

新オプション機能 トレンドアラートで先手必勝のカスタマーサービスを実現

 新オプション機能 トレンドアラートも、その有用性を見てとってβ版から導入し始めた。これは、顧客の声のリアルタイムな変化を迅速に察知できるというもの。キャンぺーンやニュースなどで急増した問い合わせがその場でつかめ、すぐさま次のアクションに移れる。これにより機会損失や炎上リスクの防止、有人対応の負荷抑制が可能になるのだ。

トレンドアラートでサービス障害を掴んだCSチームは、早急に回答を作成して同日中には有人の問い合わせ対応チームに浸透を図り、メルカリガイド、チャットボットへもアップデート内容を反映していった。まさに先手必勝を地で行った形だ。CSチームはまた、「トレンドアラート情報を全社で共有したい」「発言そのものやその前後のやりとりを直接参照したい」とカラクリに要望、これによってSlack連携や管理画面へのリンクが実現した。

チャットボットに初めて触れるスタッフも
わかりやすい管理画面により難なく活用

 株式会社メルカリ Customer Service Technical Program Management Team 工藤千恵(かずえ)氏は、サービスの使い勝手を次のように語る。

わかりやすい管理画面がいいですね。現在は、だいたい週に一度のペースで発生する新サービスや新機能リリースに先立ち、担当者が内容の改修を行うのが日常運用になっています。スタッフの中には初めてAIチャットボットに触れる人もいますが、簡単な研修のみで理解してもらえるので、スムーズな運用ができています。『質問&回答セットを考えるのはおもしろい。もっと深堀りしたい』とチャットボット開眼する人もいたりして、すっかりCSチーム内に定着しています」

明文化しづらいtipsもチャットボットならOK 何でも相談できるカラクリは今やAIパートナー

 導入してから2年、AIチャットボットの利用者数は12倍に。日夜の対応を実現。

「『メルカリ』ユーザーの増加につれて利用者数は順調に伸びており、ほぼ二人に一人のユーザーの疑問・質問を解決できているのは大きいです。平野も言及しましたが、人間には不可能な24時間対応を実現してくれ、メルカリガイドで明文化しづらいようなちょっとしたtipsを載せる場としても重宝しています。開発や改善策が提示されるスピードが速いので、新機能の使い方など何でも相談に乗ってくれるカラクリとともにこの先も有効活用していきたいと思います」

 工藤氏はこう語る。平野氏も補足して次のように語った。

「カラクリは今やAIチャットボットに関する重要なパートナーです。彼らにはこの領域の第一人者として幅広く最先端の提案をしてもらい、こちらからは『メルカリ』『メルペイ』のサービス向上の観点から様々な意見を出す。この良好な関係性を今後も維持できればいいなと考えています。」

 よい顧客体験提供の重要なカギとしてAI活用に力を入れるメルカリが、そのパートナー企業として信頼を置くのは「KARAKURI chatbot」を提供するカラクリだった。

【取材に対応していただいた方々】

株式会社メルカリ Customer Service Technical Program Management Team Manager 平野友規氏
株式会社メルカリ Customer Service Technical Program Management Team 工藤千恵(かずえ)氏

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事例でご紹介した企業

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株式会社メルカリ

本社:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー
設立:2013年2月1日
資本金:40,110 百万円[2019年6月末時点]
事業内容:フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用

https://www.mercari.com/jp/

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