チャットボット・FAQの一元管理で運用工数半減を実現、めざすは組織を挙げたお客さま満足度向上活動|株式会社 武蔵野銀行

武蔵野銀行について

武蔵野銀行は、埼玉県に本店を置く地方銀行です。「地域共存」「顧客尊重」を経営理念に掲げ、様々な金融サービスの提供を通じ地域経済・社会の発展に貢献しています。

近年は「リアルとデジタルの融合」を標榜し、デジタル分野への積極的な取組みにより利便性の向上や顧客接点の拡充に努めていくことで、お客さま満足度の一層の向上を目指しています。

チャットボット・FAQの個別管理を問題視、一元管理の実現で目指した業務の効率化

導入したサービスについて教えてください

KARAKURI chatbotとKARAKURI smartFAQを当行のWEBサイトに導入しました。


カラクリ製品の導入を検討したきっかけを教えてください

武蔵野銀行がチャットボットの導入を検討し始めたのは2018年頃でした。当時はデジタル戦略の一環として、非対面チャネルの拡充を目指していました。銀行に来店せずにオンラインで手続きや変更を行ったり、情報を収集したりすることが可能な時代となり、当行も非対面チャネルを重視する方針を打ち出しました。そこで、24時間365日対応可能なお問い合わせシステムを構築し、顧客の利便性向上を図ろうと考え、2018年12月に他社製のチャットボットツールを導入しました。

一方、顧客からの問い合わせに対応するツールとして、ホームページ上に「よくあるご質問」(以下:FAQ)も掲載しており、こちらは当行が独自に質問・回答を用意してメンテナンスを行っていました。

ここで当行が抱えていた課題は主に3つありました。


  1. チャットボットのFAQの重複管理
    チャットボットとFAQの質問・回答が類似しているにもかかわず、それぞれの担当者が別個に管理を行っていた。工数は2倍となり非効率が生じていた。

  2. チャットボットの回答コンテンツ管理上の煩雑さ
    当初導入したチャットボットは質問・回答の管理をExcelベースで行っており、業務が煩雑となっていた。

  3. FAQの更新頻度
    FAQの見直しサイクルが半年に1回となっていたことに加え、その他の更新は各FAQカテゴリの担当からのリクエストに応じた都度のメンテナンスのみとなっており、即時性に欠けていた。


これらの課題を解決するため、チャットボットとFAQを一元管理できる体制の整備が必要と判断。2023年に、チャットボット担当者とFAQ担当者である私、そしてDX推進メンバーの3名で新しいツールの選定を開始しました。

機能面、運用面、拡張性、実績面、コスト面という5つの評価軸で評価し「KARAKURI chatbot」と「KARAKURI smartFAQ」を採用

KARAKURIシリーズ導入の決め手を教えてください

選定プロセスでは、チャットボットとFAQを一元管理できる製品・サービスという前提で5社を候補に挙げ、機能面、運用面、拡張性、実績面、コスト面という5つの評価軸から比較検討を行いました。その結果、総合的に評価の高かったKARAKURIシリーズの採用を決定しました。

  1. 機能面
    チャットボットとFAQの一元管理機能が標準搭載されていること、AIによって回答精度を向上できること、管理画面が直感的に操作できることを高く評価。

  2. 運用面
    導入プロセスにおいて2名体制のサポート担当が付くこと、運用開始後も継続的なサポートが受けられること、3ヶ月に一度の分析提案があること、ヘルプデスクが利用可能であることが評価のポイントとなった。

  3. 拡張性
    将来的に有人チャットとの連携や、より高度なセキュリティ運用、お問い合わせフォームとの連携など、他社製品と遜色ない機能が備わっている。

  4. 実績面
    セブン銀行様やSBI証券様など、金融業界における大手企業での導入実績があり、信頼性の高さが選定の後押しとなった。

  5. コスト面
    特にランニングコストを重視。他社と比較して比較的安価であったことも、選定の決め手となった。

一元管理体制の確立で運用工数が半減、チャットボットの利用者数は増加、FAQの対応満足率は70%を達成

KARAKURIシリーズ導入後、運用体制に変化はありましたか?

現在、チャットボット、FAQともに1名の担当者が一括して管理しています。これにより、従来チャットボットを担当していた人員は他の業務にあたることが可能となりました。

また、リプレイスのタイミングで、チャットボットの設置場所を拡大し、取り組みを強化しました。具体的には、個人顧客向けトップページだけでなく、銀行全体のトップページにもチャットボットを設置。さらに、住宅ローンや相続手続き、電子マネー関連など、問い合わせの多いページにも展開を広げています。

日々の活用状況を教えてください

AIの学習(トレーニング)に関しては、当初は私も行っていましたが、現在はパートナー行員(臨時従業員)に担当してもらっています。休日を除く毎日10~15分程度、「KARAKURI chatbot」に表示される25件の質問に回答する形で学習を進めています。

また、四半期に1回、カラクリ社との定期ミーティングを実施し、分析結果や課題の共有を行っています。例えば、トレーニング中に発見されたチャットボットに未登録の質問について、会話カード(質問と回答のセット)化が必要なものを抽出し、コールセンターと共有。優先順位をつけて迅速に対応するなど、PDCAサイクルを円滑に回しています。

導入から1年が経ち、実感されている効果にはどのようなものがありますか?

業務効率化による生産性向上、そしてコスト削減です。チャットボットとFAQの担当者を1名に集約したことで、もう1名の人には新たな業務を担ってもらえるようになりました。また、運用に係る時間も短縮することができました。

また、KARAKURI導入後、チャットボットの利用者数が増加しました。質問の対応範囲を拡大したこともあり、2023年度の月平均利用者数は約2,000に達しております。これは、旧ツール使用時と比較して平均約160程度(約8.7%)の増加となっており、活発な利用状況が確認されています。

対応満足率についても、FAQですでに70%以上を達成しており、この数値は良好な結果と評価しています。

さらに、KARAKURIシリーズ導入により、四半期ごとのミーティングが定例化され、コールセンターの現場担当者も参加するようになりました。これにより、顧客の声を直接把握する部門間の交流が促進され、より効果的な運用が可能となっています。

今後の目標はさらなる顧客満足度の向上、コールセンターとの連携強化を構想

今後の展望をお聞かせください

業務効率化という第一段階の目標を達成したため、今後は第二段階として、さらなる顧客満足度の向上を目指しています。

顧客の生の声を最も把握しているのはコールセンターであると認識しており、コールセンターとの連携強化によってKARAKURIシリーズの拡張性を活かした対応を計画しています。具体的には、コールセンターに寄せられた電話記録をAIに投入し、問い合わせの多い質問・回答のセットを生成。これらをチャットボットやFAQに随時追加していくことを検討しています。このような取り組みは、真の顧客満足度向上を実現する上で非常に重要であると考えています。

カラクリ社に対しては、現状では対応しきれていないカスタマーサービスの知見の部分で、引き続きサポートを期待しています。また、武蔵野銀行全体でさらなる顧客満足度向上を実現するための支援についても、大きな期待を寄せています。






本店所在地:埼玉県さいたま市大宮区桜木町一丁目10番地8
設立:1952年3月6日
従業員数:1,904名
事業内容:銀行業
企業公式URL:https://www.musashinobank.co.jp/

【取材に対応していただいた方】
株式会社武蔵野銀行 営業推進部 営業企画室 皆川 康治氏

業種ごとに複数の事例をまとめた導入事例集で
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事例でご紹介した企業

株式会社 武蔵野銀行

本店所在地:埼玉県さいたま市大宮区桜木町一丁目10番地8
設立:1952年3月6日
従業員数:1,904名
事業内容:銀行業

https://www.musashinobank.co.jp/

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