複数ECモール店舗の問い合わせ対応時間を71%まで短縮|株式会社ニッセン

複数ECモール出店企業ならではのサポート対応の難しさ

KARAKURI assist導入前はどのような課題がありましたか?

現代のお客様の購買行動は特定の店舗を決めて商品を探すというより、まず商品を検索し、該当のあった店舗の中から選び、購入するのが一般的な行動パターンです。ニッセンでも20年以上、公式通販サイトの運営を続けてきましたが、近年はAmazonや楽天といった外部モールへの出店も強化しています。同じモール内でも、取り扱う商品ごとに専門店を設けており、現在の出店数は21店舗、お客様から寄せられるメールの問い合わせは、モールだけで約2,000件/月となっています。実はこのメール問い合わせに関して、1件あたりの作業工数が多く複雑だという課題がありました。

各々が独立した店舗としてコンセプトやカラー、商材の専門性を大切にしています。それに伴い運用やルール、仕組みが異なります。商品・在庫・受注の管理などは、A店ではTEMPOSTAR(ネットショップの一元管理システム)を使用して一部の情報を自動反映、B店ではRPAを活用し数時間おきにデータを反映といった違いがでます。返品ポリシーや手続きが各店舗で異なるため、店舗ごとに個別のルールが設けられています。ルールが異なれば、問い合わせに対する回答も異なるため、回答のテンプレート管理も煩雑で複雑になります。

さらに、お客様からの問い合わせに対応するためには、メーラー、楽天のRMSなどの店舗管理システム、TEMPOSTAR、そして基幹システムといった4つのツールを使用する必要があります。特に、店舗管理システムとTEMPOSTARは店舗ごとに再ログインが必要なため、先述した通り対応時の作業工数が多くなります。

店舗ごとに異なる対応ルールに従ってオペレーターは4つのシステムを運用

運用がとても煩雑なので、混乱を防ぐために店舗ごとに専従担当を置くことも考えましたが、1店舗あたりの業務量がそこまで多くはないため、効率化として10数名のオペレーターが兼務で対応しています。

課題解決に向けて新しいメーラーを検討するも・・・

課題解決に向けてどのようなことに取り組みましたか?

作業工数の削減に向けて、店舗ごとに異なるルールに対応できるもの、店舗違いでの混同や混乱を避けられるものが無いかということで、新しいメーラーを2つ導入し、各2週間のテストを実施しました。具体的には、各店舗に寄せられる問い合わせ内容をメーラーに集約・連携し、そのメーラー上で返信するというものです。しかし、当時の運用と比べて部分的に良化する点はありましたが、全体的には工数が減らないどころか増えてしまう結果となりました。それまで各店舗管理システム内で返信していたものを、メーラーで返信ができるようにはなりましたが、結局は返品などの各処理のために、各店舗管理システムにログインし操作が必要なためです。各店舗管理システム利用も必要な場合、使うツールが増えただけになります。

このテスト結果から、本当に必要なツールは、各社の店舗管理システムを利用したまま、画面遷移せずに使えるもの、二度手間を防げるものではないかと考えました。あとは、当然ながら費用対効果が出るものです。

どんなシステムを使っていても”その場”で”すぐに”呼び出せるKARAKURI assist

そこで導入したのが定型文(テンプレート)管理と自動文章チェックができる「KARAKURI assist」です。ブラウザの拡張機能として開発されているため、ブラウザベースであればどのシステムを使っていても、いつでも問い合わせ対応のテンプレートを呼び出すことができます。

先述の通り、同じ楽天でも店舗が異なると、ルールやサービスの違いから案内内容が変わります。KARAKURI assistを使えば、その店舗に適した回答テンプレートを画面遷移やツールの切り替えすることなく、簡単に呼び出すことができます。楽天の管理画面を開いた場合、KARAKURI assistでは楽天用のテンプレートが表示されます。同様に、Yahooの管理画面を開いた場合はYahoo用のテンプレートが表示されます。テンプレート利用時は余計な部分のない「必要な部分だけ」のテンプレート抜き出しが1クリックで完了し、システム内のメッセージ返信欄に回答貼り付けることも、1クリックでできます。

その他、一般的な日本語の単語や文法チェックだけでなく、「●月×日(水)」のように日付に対して曜日が誤っていた場合にアラートが出てくれるなどの文章チェック機能も搭載しています。

メール問い合わせ対応に要する時間を約71%まで短縮

KARAKURI assist導入後の効果はいかがですか?

KARAKURI assistに登録された共通のテンプレートを活用することで、品質の均一化が実現できました。導入前は、管理側が用意した共通のテンプレートをもとに、各オペレーターがOutlookやExcelなど、自分が一番早くテンプレートを探し出せるツールを用いて、店舗ごとのテンプレートを個別に管理していました。そのため、管理側が共通のテンプレートをアップデートしても、個別に管理されているテンプレートに反映ができているかなどの確認は行き届いていないことがありましたが、そういった懸念は無くなりました。

KARAKURI assist導入前後で1時間あたりの対応件数を比較したところ、導入前のベテランオペレーターは平均3.5件に対して、導入後の新人オペレーターは5件の問い合わせを処理しており、現在も効率が上がり続けています。また、新人オペレーターが1時間に3件の問い合わせを処理するまでに必要な期間が平均14ヶ月から5ヶ月に短縮されました。KARAKURI assistによって、戦力化までの時間が短縮できていることがわかります。これらの効果の積み重ねで、メール問い合わせ対応に要する時間は、導入前と比較して約71%まで短縮しています。

さらなるUIの進化に期待

今後、KARAKURI assistに期待することは?

メール対応の工数削減という課題に対しては、一定効果が出ているので非常に助かっています。現時点で十分使いやすいツールですが、今後はさらなるUIの進化に期待したいです。



株式会社ニッセン

本社:京都市南区西九条院町26番地
設立:2007年6月21日
資本金:1億円(2023年2月28日現在)
事業内容:婦人服を中心とした衣料品、インテリア雑貨などのインターネット・カタログ通信販売。婦人服の店舗販売。通販ノウハウを活かしたビジネスサポート、BtoB事業
https://www.nissen.co.jp/



【取材に対応していただいた方々】

株式会社ニッセン セールス&コミュニケーション本部 カスタマーサービス部
京都GCC NETコミュニケーションチーム
マネージャー 池田 智紀 氏/スーパーバイザー 田中 豊仁 氏

業種ごとに複数の事例をまとめた導入事例集で
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事例でご紹介した企業

nissen

株式会社ニッセン

本社:京都市南区西九条院町26番地
設立:2007年6月21日
資本金:1億円(2023年2月28日現在)
事業内容:婦人服を中心とした衣料品、インテリア雑貨などのインターネット・カタログ通信販売。婦人服の店舗販売。通販ノウハウを活かしたビジネスサポート、BtoB事業

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