カスタマーサポート部門の問い合わせ対応量が30%減少 | 株式会社ショップエアライン

2022.3.21 ECKARAKURI chatbot
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一刻も早く購入品を手に入れたい、会員からの問い合わせが殺到

  いったん集め出すとすべてが欲しくなる。それがコレクター心理だ。そして対象物が手に入りにくいものであればあるほど、さらに熱が入ってしまう。そのようなコレクターに頼りにされているのが、日本最大級の海外ショッピングサイト「セカイモン」だ。
 同サイトを運営する株式会社ショップエアラインは、グローバルなEコマース事業を強みとするBEENOS株式会社の子会社で、米eBay社の公認パートナー。米国、イギリス、ドイツのeBayに出品されている品を日本にいながらにして日本語で購入できるサービスを提供している。同社はそれぞれの国に現地倉庫を持ち、そこへ注文された品を集荷して、その状態や梱包を確認した上で日本へ発送、通関も代行して国内配送を手配する。 商品カテゴリーは、クルマやバイクのパーツ、アウトドア用品、アパレル、服飾雑貨などと幅広く、マニアックなグッズまできめこまかくカバー、サイト掲載総点数はなんと10億点超だ。まさに、この圧倒的な点数こそがコレクターの間で高い評価を受けている理由だ。

 同社では、会員の利便性を考慮してサイト上にマイページを設けている。そこで会員が購入した品、入札した品などについて状況を確認できるようになっている。また、「使い方ガイド」や「よくある質問」を用意して会員の質問・疑問に応えてきた。しかし、掲載品の特性上、会員には購入したら一刻も早く手に入れたい心理が働く。そのため、同社のカスタマーサポート部門には多くの質問が寄せられ、常に多忙だった。
業容拡大とともにスタッフを増やし、数名で対応に当たっていたが、以前は会員の期待する回答スピードに追いついていない状態だったという。

 そうしたおり、働き方を見直して生産性を向上するにはどうすればよいのか、経営陣を交えて改めて話し合った。カスタマーサポート部門で効率化のスポットを当てたのは問い合わせ対応だ。BEENOSグループ会社間で情報共有する中、ある会社で有人チャットボット(後にAIチャットボットへ移行)を活用し効果を上げていることを知った。それで同社でもチャットボット導入プロジェクトが立ち上がった。2018年7月のことである。

自由度が高く、未来に向け一緒に成長できそうな「KARAKURI」を選択

 株式会社ショップエアライン マーケティンググループ 行方てるみ氏は、AI専門展示会に足を運ぶなどしてリサーチした結果、5社5サービスを候補に挙げた。比較検討の末に採用したのが、カラクリの提供するAI搭載チャットボット「KARAKURI」である。行方氏は選定の理由を次のように語る。

「私たちが重視したのは未来性でした。他社の多くが既存のAIエンジンを使って、カスタマーサポート機能を提供することだけにフォーカスしているのに対して、『KARAKURI』は自由度が高く、私たちの要望に応えて“一緒に成長していく”という姿勢に満ちあふれていました。
 また、他社と比べて価格的にもコストパフォーマンスが高いと感じられました。
 つまり、まずはその未来性に魅かれて、価格的にも競争力があったことが決め手となって『KARAKURI』を採用することにしたのです」

 導入を決めたのは2018年10月。同社には同年中にチャットボットサービスを開始したい意向があり、サイトの「よくある質問」を立ち上がり質問・回答セットとして準備を進めていった。

 また今回、同社は「KARAKURI」を一般的なスタイルとは異なる形でサービスサイトに挿入した。チャットボットで一般的なのは、サイトであるページに遷移すると右下にチャットボットを表す吹き出しアイコンが表れるというスタイルだ。しかし、「セカイモン」ではお問い合わせページのトップ、それも全面に「KARAKURI」が表れる。その下に「ご利用ガイド」や「よくある質問」も用意されているが、こういう構成であれば、会員がまず利用するのはチャットボットだ。

このようにページ設計したのは、「KARAKURI」をカスタマーサポートの代表窓口に位置付けたいと考えたからだ。ゆくゆくは会員登録という最初のユーザータッチポイントから購入品の配送トラッキングまで、すべてをここで対応することをめざしたのだ。

問い合わせボリュームが30%減少、「KARAKURI」により潜在ニーズの発見も

 2018年12月25日、まさにクリスマスのその日、同社のチャットボットサービスがスタートした。以降、スタッフ体制は変更していないが、カスタマーサポート部門の問い合わせ対応量が30%減少した、と行方氏は導入効果を語る。

 質問のハードルが下がった、と語るのは、株式会社ショップエアライン サービス開発グループ JPセクション 池田凌氏だ。

「必要事項を記入して送信するタイプの『お問い合わせフォーム』で対応していたときには、出てこなかった質問が現れるようになりました。たとえば、クーポンに関するものがその一つで、『クーポンの使い方は?』『クーポンはいつもらえますか』などと聞かれるようになったのです。会員の方々にとっては、わざわざ『お問い合わせフォーム』を使うほどではないけれど、チャットボットがあるならちょっと聞いてみようという気になるのだと思います。

 これは私たちにとって大きな“気づき”です。クーポンを意識してサービスサイトを見直したり、クーポンを起点にマーケティングを強化したり、いろいろなアクションを取ることができます。『KARAKURI』を導入したことで、潜在的なユーザーニーズを発見できるようになりました」(池田氏) 同社はカラクリとの協業にも満足している。行方氏はこう語る。

一緒に伴走してくれている感じがいいですね。月に1回の定例ミーティングでは、さまざまな数字を見て現状分析してくれるので、今後のカスタマーサポート体制を考える上で役に立ちます。たとえば一時、質問・回答セットをあまりメンテナンスできていなかったのですが、カラクリから具体的なデータと共に『日々のトレーニングが重要です』というアドバイスを受けて、すぐ体制を見直しました」

 「セカイモン」の「KARAKURI」導入スタイルは、今やチャットボット活用の新たなモデルとして他社から参考にされている。今後の目標は、前述した会員登録やトラッキング対応機能の実装だ。バックエンドシステム連携が発生するため、システム設計やコストをしっかり見極める必要があるが、より安心・安全で、より透明なサービスの提供をめざして、ショップエアラインとカラクリは二人三脚を続けていく。




【取材に対応していただいた方々】

株式会社ショップエアライン サービス開発グループ JPセクション 池田凌氏
株式会社ショップエアライン マーケティンググループ 行方てるみ氏

業種ごとに複数の事例をまとめた導入事例集で
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事例でご紹介した企業

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株式会社ショップエアライン

本社:東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー6階
設立:2007年4月

https://shopairlines.com/

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