カスタマーサポートで普及が進むチャットボット、どれぐらいの効果を得られる?

カラクリ編集部

2019.04.08

チャットボットはどれぐらい効果的?

チャットボットの効果を考える

チャットボットがもたらすメリットは様々あり、24時間365日フル稼働できることや、LINEやSkypeのような慣れ親しんだチャット形式を用いて使えること、またカスタマーとのやり取りに割いていた人員や時間を削減できることなどが挙げられます。

このため、チャットボットは問い合わせなどのカスタマーサービス領域で活用が進んでおり、カスタマーから良い反応を得られたケースがあります。米国で行われたチャットボットに関する調査では、回答者の74%がチャットボットを「効果的」もしくは「ある程度効果的」と答えています。

また、米国の大手リサーチ企業のガートナーが平成29年(2017年)に行った調査では、2020年までにカスタマーサービスのうち85%は自動化が可能になるとされています。またソフトウェア企業のオラクルは、平成28(2016)年、今後チャットボットをカスタマーサービスに導入する企業は2020年までに80%に達すると予測しています。

このように、今後急速に普及することが見込まれるチャットボットは、国内でも活用が進んでいます。次からは具体的な活用例を挙げながら、その効果を検証してまいりましょう。

チャットボットと人間との共同で、効率化とコスト削減を実現

チャットボットを活用して従来のカスタマー対応の効率化に成功した事例として、アスクル株式会社が挙げられます。

同社が運営する通販サイト「LOHACO(ロハコ)」では、チャットボット「マナミさん」を平成26(2014)年9月というかなり早い時期から導入しています。

マナミさんはカスタマー対応の効率化を目的に開発されており、現在ではWebサイトとLINEアカウント両方からアクセスできます。マナミさんには自然言語処理や深層学習などのAI技術が使用されており、カスタマーからの問い合わせに対して適切な回答を自動で提示します。

また、チャットボットでは回答が難しい質問の場合、人間のオペレーターがマナミさんに代わって回答するという仕組みを取り入れており、人間とAIの共同作業によるシームレスな対応を行っています。

寄せられる質問のうち、マナミさんがおよそ40%相当を回答しており、チャットボット導入によって効率化とコスト削減を両立させています。

チャットボットで、効率化と顧客満足度向上を実現

チャットボットで顧客満足度向上

また、チャットボットを導入して、コミュニケーションコストの削減に成功した例が、ソフトバンク株式会社傘下の「Y!mobile(ワイモバイル)」です。

同社ではカスタマーサポート専用のチャットボット「バーチャルエージェント」を導入していますが、これは1か月で30万件もの入力があるという利用率を誇り、ユーザーの満足度も高いようです。

従来のWebサイトにある「よくある質問」で使われている言葉は、カスタマー自身が考える言葉と合致しないことが多々ありました。そこでカスタマーが自分の言葉で質問できる手段として、有人によるチャットサービスを開始し、その後にバーチャルエージェントを導入しました。

現在ではバーチャルエージェントと有人チャットが連携する仕組みを構築しており、これによって有人チャットに対する問い合わせを40~50%削減しました。また平成30(2018)年8月からは、料金確認やオプション変更ができるページにおいてもバーチャルエージェントを導入し、同じく有人チャットの利用率を50%ほど削減できたとのことです。

同サービスを利用したカスタマーからは、期待以上のサービスだったというコメントが寄せられており、チャットボットで効率化と顧客満足度を向上した好例と言えます。

チャットボットでサービス性と効率化を実現

チャットボット導入のメリットの一つに「24時間365日稼働できる」ことが挙げられます。

この特徴を活かしたのが総合楽器店の島村楽器株式会社で、同社では平成29(2017)年6月からチャットボットによる問い合わせサービスを導入し、現在では電話、メール、チャットボット、有人チャットによるカスタマーサポートを展開しています。

同社のオンラインサイトが閲覧される時間帯は夜間が多く、メールで問い合わせても回答が翌日以降になってしまうため、よりスピーディにカスタマーの抱える問題を解決することを目的に、チャットボットを導入しました。

チャットボット導入後は、メールの問い合わせ件数が20~30%減少し、24時間フル稼働できるチャットボットによってサービス性の向上効率化を実現しています。

まとめ:チャットボットを導入することで50%近くのコスト削減が可能な場合も!?

コストカット

本稿でご紹介した事例では、カスタマー対応業務のうち20~50%をチャットボットが代替しています。チャットボットでどれほどの効率化を図れるかは、導入する分野やチャットボットの設計にもよるため一概に同じ水準であるとは言い切れませんが、活用の仕方によっては上記で挙げた事例のような効果が充分に期待できます。

実用的で使いやすいチャットボットを設計するには、導入する分野やチャットボットのデザイン、またどんなデータを組み込むかを明確にすることが大切です。

また、チャットボットのみでは対応しきれない質問があるため、人間のオペレーターとチャットボットが一緒になって行うカスタマーサポートが一般的になっています。

数多くの活用例を参考にしながら、自社に理想的なチャットボットの形を考えてみませんか?

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カラクリ編集部

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