そもそもチャットボットとは?
チャットボットとは、チャット形式で自動的に返答をするロボットです。最近では、ホームページの問い合わせ窓口のひとつとして設置されることが増えてきました。
チャットボットを導入する効果はさまざまですが、とくにメリットを得られやすいのが自社の顧客からの問い合わせに対応する「カスタマーサポート」の現場に導入するケースです。
チャットボットで疑問を解決できれば、顧客からの問い合わせに人が対応する時間を減らせます。つまりコールセンターの業務効率化となる「人員削減」や「労働時間短縮」にもつながり、人件費を削減できるメリットがあります。
しかし、どの業種でもチャットボット導入でメリットを感じられるわけではありません。あまり効果がない場合やデメリットがある点にも注意を払う必要があります。
今回はチャットボット導入に必要なコストやデメリット、成功するために必要なポイントを徹底的に解説します。
チャットボット導入の効果・メリット
チャットボット導入によって得られる効果はさまざまです。チャットボットの効果を見極め、導入すべきかよく検討することが大切です。
たとえば、次のような導入効果・メリットが期待できます。
24時間365日の顧客対応が可能
チャットボットを利用すれば、時間を問わずいつでも顧客対応が可能になります。「電話がつながってから回答を得られるまで15分程度」かかっていたものが、一気に数分のやり取りで解決できれば、顧客満足度向上にも寄与します。
人的コストの削減につながる
チャットボットを導入すると、カスタマーサービスとも呼ばれるコールセンターやメールサポート部署の人員負荷や人件費負担を軽減しやすくなります。その理由は、「知りたいことをボットが回答してくれる」からです。慢性的にサポートへの電話がつながりにくい企業は、チャットボット導入のメリットを受けやすくなります。
チャットボット導入の注意点
一方、チャットボット導入にあたっては、注意すべき点やデメリットもあります。チャットボット導入時の検討材料として、次のような注意点やデメリットも理解しておきましょう。
導入・運用コストがかかる
チャットボットの導入・運用にはコスト(お金・労力)がかかります。チャットボットは利用者にも便利な機能となりますが、相応の投資が欠かせません。
まず導入までにある程度の時間がかかります。FAQ形式で回答を準備するために大量のデータ整理やホームページの導線改善が必要です。
また運用コストも、精度の高い回答を保つためには、常に質問をインプットする必要があるためメンテナンスする人材確保が必要です。
チャットボットだけでは複雑な対応はできない
チャットボットは、よくある質問や簡単な質問への回答が得意です。
たとえば「一文で区切れない長文」や「複数の課題が複雑に絡んでいる場合の質問」は認識することが難しく、人間の柔軟に聴き取り理解する力はやはり必要です。
チャットボットは、有人のサポート案内に切り替えることもできるので、人とチャットをうまく使い分けていく必要があります。
チャットボット導入事例
ここでは、チャットボットを導入して成功した企業の実例を解説します。
チャットボット導入の目的、導入後の結果、チャットボットの利用方法は、企業によって大きく変わります。自社と似た規模や背景を持つ企業の事例を知り、チャットボット導入に役立てましょう。
事例:レアジョブ
レアジョブを運営するレアジョブでは、KARAKURIのチャットボットを導入した実績を持っています。
チャットボット導入の背景
レアジョブでは、レアジョブの会員増加に伴い問い合わせも増加し、カスタマーサポートへの問い合わせも増加してしまいました。
人員不足に陥り社員が遅くまで対応し顧客を待たせていた状況を打破すべく、チャットボットの導入に踏み切っています。
チャットボット「KARAKURI」導入の決め手
比較したポイントは「価格」と「運用のしやすさ」です。比較したサービスのなかでもKARAKURIは、会話のパターンも作りやすく、フォロー態勢も整っていたため、一番使い勝手が良さそうだと感じて導入を決定しました。
チャットボット導入の効果
問い合わせ数とレッスン提供数の比率を指標のひとつとしていますが、なんと言っても1日200レッスン程度の提供だったのが、1.5倍の300レッスン程度まで伸びました。
これはレッスン料換算で月額約15万円、年間約180万円のコストカットに成功したと言えます。問い合わせも早くなったと、顧客からも好評を得ています。
KARAKURI導入の詳しい事例
記事中で紹介した事例の詳しい解説は次の記事をご覧ください。
チャットボット導入を成功に導く3つのポイント
チャットボット導入を成功に導くためには、次の3つのポイントを意識すべきです。意識せず導入すると失敗事例になってしまうかもしれません。
チャットボット導入の目的を持つ
なによりも大切なのが、「チャットボットをなぜ導入するのか」「どのように活用するのか」といった『導入の目標』を持つことです。
自社が抱えている課題に対して、チャットボットを導入すればどのような効果が見込めるのかを明確にしていけば成功への近道となりますが、曖昧なまま進めていくと失敗のもとになります。
顧客(カスタマー)へのメリットを考える
顧客(カスタマー)へのメリットを考えた際に、メリットがほとんど感じられないのであれば、チャットボットを導入しても効果を得られません。
しかし、「簡単な問い合わせ」や「営業時間外の問い合わせ」が多く寄せられるコールセンター/カスタマーサービス部門であれば、待ち時間ゼロでオペレーターとなるボットと対話できるため、大きなメリットとなります。
チャットボットの多くが、LINEなど日常的で見かけるチャットソフトのような見た目を採用しているケースが多く、顧客にとって使い勝手も心配ありません。
運用体制を整備する
チャットボットはFAQのシナリオづくりはもちろんですが、管理者不在では成り立たないサービスです。
その理由は「情報の更新」が必要だからです。新サービスが出れば情報を登録せねばなりませんし、廃止されたサービスがあれば情報を更新せねばなりません。
またチャットボットが正常に動作しているか、確認する人員も必要です。どのような体制でチャットボットを運用するのか、想定しておくのが成功するポイントとなります。
投資対効果の高いチャットボット導入を実現させよう
チャットボットを導入し活用すれば、業務効率化はすぐそこです。会社としてはコスト削減、顧客としては時間や手間の削減といったWIN-WINの関係を構築できます。
繰り返しにはなりますが、チャットボットを導入すれば必ず効果が出るものでもありません。導入事例や結果、また本当に必要なのかもよく確認したうえでチャットボットを導入しましょう。