コンタクトセンター市場動向 | コールセンターとの違い・市場規模・代表的システムを解説

Tamura Yusuke

2019.10.08

コンタクトセンターとは

コンタクトセンターとは、電話やメール、Webサイトの問い合わせ画面など多彩なチャネルを使い、顧客からの質問や要望に応える業務およびその部署のことです。

近年、コミュニケーションツールは多様化し、メールやチャットなどで誰もが気軽に連絡を取り合えるようになりました。これにより、ビジネスの分野でも商品やサービスを購入した顧客とのコミュニケーションが容易になっています。

こうした市場動向や社会変化を背景に、よりカスタマーサポートを充実させようと、企業がコンタクトセンターを設置するケースが増えています。

コールセンターとの違い

コールセンターとコンタクトセンターは、どちらも顧客とコミュニケーションを取る役割を担う部署であるという意味において違いはありません。

しかし、従来のコミュニケーション手法であるコールセンターは、主に電話によって応対します。メールやチャットが発展する以前は、こうした電話での対応だけでも十分に顧客の要望に応えられましたが、前述のとおりコミュニケーションが多様化した昨今では、それだけでは不十分になってきました。

コンタクトセンターは、顧客の不便を解消するため、電話のほかにも複数の手段を組み合わせることで柔軟なユーザーサポートを可能にしています。

簡単な質問や問い合わせの場合、待ち時間の長い電話応対ではかえって手間がかかります。FAQや自動応答システム、チャットボットなどを駆使して、あらゆる顧客接点に対応できるのがコンタクトセンターです。

企業によっては、コールセンターと呼ばれていてもさまざまなコミュニケーション手段に対応できる体制を構築していることもあります。各企業が、文脈に応じて部署の呼び方を変えている、というケースもあるので、コールセンターだからといって「電話のみに対応している」というわけではない点を認識しておきましょう。

コンタクトセンターが注目される背景

コンタクトセンターに注目が集まる背景のひとつが、カスタマーエクスペリエンスが重要視されていることです。

カスタマーエクスペリエンスとは、「顧客体験価値」のことです。これまでの顧客層は、商品やサービスを購入するだけでも十分に満足できていました。しかし、商品やサービスだけで差別化が難しくなってきた昨今はこれが変化し、購入後の体験から企業とのコミュニケーションまで価値を求めようとする動きが目立ち始めました。

すでにさまざまなチャネルを利用したコミュニケーションに慣れている若い世代にとって、電話でしか問い合わせ対応できないのは不十分です。こうした顧客のニーズに応えていくため、コンタクトセンターの注目度が高まっているのです。

コンタクトセンターの市場

矢野経済研究所が2019年に発表した調査リリースによると、2017年度の国内コンタクトセンター市場は同1.7%増の4,778億円を記録しています。

消費者のデジタルシフトは確実に進行しており、チャットボットに代表される音声以外のチャネルを組み合わせた企業のサービスも目立ち始めています。

さらに、オペレーターの人材不足を背景としたRPA(業務の自動化)も盛んで、ゆくゆくは音声からテキストへ、市場の主要チャネルの変転が予測されています。

コンタクトセンター市場の展望

メールやチャットといった広範囲の顧客応対ができるコンタクトセンターは、コールセンターよりもユーザーと深い関係を築くことのできる仕事です。

待ち時間が長く、面倒だった電話の応対と比べ、これからは自分の好きな時間に、より気軽に企業とコンタクトがとれるようになります。従来の質疑応答という単調なコミュニケーションとは異なり、コンタクトセンターではより顧客との接点を多用化し、ユーザー満足度の向上につなげていくことが可能です。

コールセンター・コンタクトセンターを構成する代表的システム

コールセンターやコンタクトセンターでは、顧客の多様な要望に応えるため、さまざまなシステムを駆使しています。コンタクトセンターで使われるシステムの代表例を紹介します。

PBXとは

PBX(Private Branch Exchange)とは、複雑に絡み合った電話通信を、より効率的にするシステムです。受信時の担当部署への接続や、同じ回線同士のモニタリング、内線への転送などを効率化でき、コールセンターおよびコンタクトセンターになくてはならない仕組みといえるでしょう。

CTIとは

CTI(Computer Telephony Integration)とは、顧客情報を自動的に画面に表示する仕組みや、通話を録音する機能などが実装された効率化ツールです。広く全国のコールセンターおよびコンタクトセンターでも活躍しています。

CTIはコンタクトセンターの基盤システムとしての役割を担います。必要な機能を付加できるため、顧客の要望に柔軟に対応できるインターフェースが構築できます。

CRMとは

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報を管理できるシステムのことです。顧客の購買行動や年齢、性別、趣味といった情報の収集・分析に適しており、企業のマーケティング戦略やプロモーション管理といった具体的な施策の管理も可能です。

チャットボット導入でコンタクトセンター業務効率化が可能に

コンタクトセンターでは、先ほど紹介したシステムに加え、チャットボットの導入を検討する企業が増加しています。音声や画像といった認識技術のほか、学習機能を持つAIは、カスタマーエクスペリエンスの実現ばかりではなく、生産性向上という役割も期待されています。

たとえば、実際に顧客とのコミュニケーションツールとしてAIを使用すると、24時間365日対応可能な「オペレーターの代用」が可能です。また、顧客から問い合わせのあった内容を音声認識で検知し、人手の代わりに情報を調べてくれる「オペレーターの支援」といったこともできます。

コンタクトセンターは顧客満足度向上のカギ

コンタクトセンターの業務は、電話はもちろん、メールやチャットなどのツールを使って顧客からの要望に応えます。従来のコールセンターに比べ、より深い顧客とのコミュニケーションツールが可能となるため、カスタマーエクスペリエンスの実現により一歩近づける方法といっても過言ではありません。

こうした企業へのアクセスが容易になることで、顧客は企業をより身近に感じるはずです。顧客満足度の高まりがファン化へとつながり、商品の売上やコンバージョンの向上を実現できるでしょう。

Tamura Yusuke

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