カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?注目の背景やメリット、改善のポイント解説

カラクリ編集部

2019.11.21

カスタマーエクスペリエンスが注目される理由・背景を解説!

カスタマーエクスペリエンス(CX)に、昨今なぜ注目が集まっているのでしょうか。ここでは、カスタマーエクスペリエンスの意味や、カスタマーエクスペリエンスに注目が集まっている背景を解説します。

カスタマーエクスエペリエンスとは

カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience:CX)は、日本語では「顧客経験価値」「顧客体験」などとも訳されます。

顧客経験価値というのは、顧客が商品やサービスを購入する際に、購入したものの価値以外に、販売促進や購入後のサポートなど、全体的な経験から得られる価値を指します。

顧客に期待通り、あるいは期待以上の経験をしてもらうことで商品やサービス、企業ブランドに対して満足度、ロイヤルティ、支持を向上させることが、カスタマーエクスペリエンスの取り組みなのです。

カスタマーエクスペリエンスが重要な理由

では、なぜカスタマーエクスペリエンスが重要視されているのでしょうか。ここでは、具体例を挙げながら、カスタマーエクスペリエンスが重要な理由を解説します。

商品やサービスのコモディティ化が進み、差別化が難しくなっている

カスタマーエクスペリエンスに注目が集まっている背景には、かつて付加価値のあった商品やサービスが技術の向上、業界の成熟などによって競合との差がなくなってしまう「コモディティ化」が進んでいることが挙げられます。

従来のように商品やサービスの価値だけで競争を勝ち抜くのが難しいため、競争優位性を確立するためには、販売促進や購入後のサポートなど、全体的な経験から得られる価値を提供することが欠かせないのです。

カスタマーエクスペリエンスに注力するメリット

それでは、企業がカスタマーエクスペリエンスを向上させるメリットとはなんでしょうか。ここでは、カスタマーエクスペリエンス向上に注力することによって得られるメリットを解説します。

既存顧客のロイヤリティ向上によりリピーターが獲得できる

カスタマーエクスペリエンス向上に注力することが、既存顧客のロイヤリティを向上させ、結果的にリピーターを獲得することにつながります。

たとえば、購入前の質問にも親切に答えてくれ、購入後のサポートも迅速かつ丁寧なWi-Fiルーターを販売している企業があれば、もしWi-Fiルーターが壊れてしまっても、同じメーカー製のものをリピート購入してくれる可能性が高まります。

顧客と1回だけのつきあいではなく、リピーターとなり、継続的な関係を構築するためにも、カスタマーエクスペリエンスの向上は欠かせません。

既存顧客からの口コミにより新規顧客が獲得できる

カスタマーエクスペリエンスの取り組みは、SNSや口コミサイトでユーザーから高い評価を受けやすくなるため、新規顧客の獲得にもつながります。

逆にカスタマーエクスペリエンスが低いと悪評が広まってしまい、新規顧客の獲得が困難となってしまうこともあります。

カスタマーエクスペリエンス成功企業の共通点

IT調査会社のガートナー ジャパンは2019年1月、顧客中心主義を掲げてカスタマーエクスペリエンスを推進し、ビジネスを成長させている企業に共通する習慣をリリースで発表しました。

顧客中心型の企業は、顧客を中心に据え、顧客に固有の課題と期待、およびニーズの背景を理解しながら、その期待に応える製品やサービスを一貫して提供します。共通する10の習慣は次のとおりです。

1. 継続的に顧客の声 (VoC) に耳を傾ける

顧客中心型の企業は、顧客からさまざまな形で提供される個人情報を生かし、効果的なカスタマーエクスペリエンスを推進しています。 

2. 顧客からのフィードバックに確実に対応する

リスニングやVoC(Voice of Customer)手法によって顧客から得たフィードバックを顧客とのコミュニケーションにつなげられない企業が多い中で、顧客中心型の企業は、フィードバックに確実に対応しています。 

3. 顧客のニーズを見越し、先回りして行動する

顧客中心型の企業では、より正確で適切な情報を顧客から収集できるようになっており、カスタマーエクスペリエンス担当者は顧客データを使用して状況に応じて先手を打って提供できます。

4. 顧客との共感を自社のプロセスやポリシーに組み込む

顧客中心型の企業は、顧客との共感を最初からプロセスやポリシーに組み込んでいます。 

5. 顧客のプライバシーを尊重する

顧客中心型の企業は、顧客データをニーズの予測のために活用すると同時に、顧客のプライバシーを尊重しています。 

6. 顧客の日常生活を通じて価値を提供する

顧客中心型の企業は、顧客の日常に寄り添い、顧客にとっての価値を提供します。 

7. エンゲージメントを維持するよう従業員のモチベーションを高める

従業員エンゲージメントが高まれば、企業全体の生産性や従業員定着率の向上、および欠勤の減少などにつながります。顧客中心型の企業は、優れた従業員エンゲージメントを実現し、それをさらに優れた顧客満足へとつなげています。

8. ビジョンを構築し、実行する

顧客中心型の企業は、説得力のあるビジョンを確立し、改善のための体系的なアプローチを展開することで、カスタマーエクスペリエンスを向上させています。 

9. カスタマーエクスペリエンス向上に対する責任者を明確にする

カスタマーエクスペリエンスの計画に責任者がいなければ、どれほど素晴らしい計画であっても実行時に役に立ちません。顧客中心型の企業では、カスタマーエクスペリエンスを担う責任者を置いています。 

10. 顧客のニーズや状況に適応する

テクノロジーは、これまでにない速度でビジネスを破壊しています。デジタル・ビジネスは、リアルタイムで顧客と関わり、彼らの要求や状況に適応することを意味し、成功している企業はそれを実践しています。 

カスタマーエクスペリエンス向上のポイント

カスタマーエクスペリエンスを改善するためには、やみくもに進めるのではなく、改善のポイントを押さえて取り組むことが必要です。ここでは、カスタマーエクスペリエンスを改善する際のポイントを解説します。

1. 顧客のことをよく知る

大前提として、自社の製品やサービスに「顧客が満足しているポイント」があります。そこを把握した上で、自社の製品やサービスに対して、顧客がどのような感情を抱いているのかを理解しましょう。

顧客を知るための手段のひとつが「アンケート」です。各種製品やサービスに対し、「どう感じているのか」「改善してほしい点はどこか」など、顧客の声に耳を傾けましょう。

2. 向上すべき項目を洗い出す

顧客へのアンケート調査などを実施し、カスタマーエクスペリエンス向上につながる項目を洗い出します。具体的な項目は業種やサービス内容によって異なりますが、たとえば、次のような項目が挙げられます。

– 解約率
– 顧客満足度(CS)
– ネットプロモータースコア(NPS)

3. 項目ごとに数値目標・KPIを設定し、改善を繰り返す

カスタマーエクスペリエンス向上につながる項目が特定できたら、数値目標・KPIを定めて改善を繰り返します。

たとえば前述の項目にあった「解約率」は、製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払うサブスクリプション型のサービスであれば、特に注目すべき項目です。

顧客がどこに不満を感じているのかを見つけ出し、解約の理由を特定、それを改善することができれば、解約率を下げることが可能でしょう。

重要なのは、カスタマーエクスペリエンスを向上させる前段階として「可視化」することです。

まずは、顧客にとって重要である項目を洗い出します。つぎに、項目ごとに数値目標を設定し、改善を繰り返します。その結果をモニタリングすれば、着実にカスタマーエクスペリエンスを向上できるでしょう。

顧客についての深い理解がカスタマーエクスペリエンス向上の近道

カスタマーエクスペリエンス向上ためには、顧客が「なにを求めているのか」を深く理解することが重要です。

価値ある商品やサービスを提供していても、カスタマーサポートの質が低ければカスタマーエクスペリエンスが下がり、顧客が離れてしまいます。
昨今では良い口コミも流れやすい一方で、悪い口コミはさらに目立ってSNSにも掲載されてしまいます。

顧客中心主義を掲げ、カスタマーエクスペリエンス向上に取り組む企業の事例や共通点を参考に、自社の取り組みを活発化させましょう。

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