クレーム発生時の対応で押さえておくべき基本とは?
対面や電話でのクレーム対応と同様、メールでも、次のような基本的な対応手順を押さえておきます。
(1)顧客の声に対して真摯に耳を傾け、(2)丁寧に謝罪し、(3)クレームに対する解決策を提示するということです。
クレームをいれる顧客は、多くの場合、提供された商品やサービスについての不満を抱え、怒りの感情を持っています。
クレームに対応するときは、まず顧客の心情を理解し、心から謝罪の意を伝えることで、相手の気持ちを鎮めることが重要です。つぎに、クレームの内容をヒアリングし、問題点を把握します。そのうえで、解決に向けた適切な回答を提示することが、対応を進める中で非常に重要です。
クレームに対する返信メールのポイント
続いて、クレームに対する返信メールのポイントを解説します。クレームに対する返信メールのポイントは、次の3点です。
- 24時間以内に返信する
- 適切な表現を用いる
- 送信前に間違いがないかダブルチェックする
24時間以内に返信する
クレームに対する返信メールは、24時間以内に送ることが重要です。
クレームを入れる顧客は、すでに不快感をもち連絡をしている場合がほとんどです。返信を遅らせることは、より不快感を募らせ、さらなるトラブルの原因になりかねません。
すぐに解決案が見つからない場合も、「詳細なご連絡につきましては、確認のうえで、再度ご連絡させていただきます」といった内容で、当日中に返信することが大切です。
適切な表現を用いる
クレームに対する返信メールのポイントの2つ目は、適切な表現を用いることです。メールは、文字でのやりとりとなるため、書き方によっては相手に冷たい印象を与えてしまうことがあります。
また、言葉遣いや言い回しなどによっては、さらにクレームを起こしてしまったり、トラブルの原因につながることもあります。
そのため、不信感を募らせている顧客に対して返信する際は、言葉の表現に十分注意したうえで、返信することが重要です。
メール送信前に間違いがないかダブルチェックする
クレームに対する返信メールのポイントの3つ目は、返信メールに間違いがないか確認することです。誤字脱字はもちろん、相手を不快にさせる表現、事実誤認がないかを見直します。また、可能な限り自分以外の上司・先輩や同僚にも目を通してもらい、ダブルチェックすることを心がけましょう。
クレーム対応メールの書き方【基本】
クレーム対応メールを書く際の基本的なポイントを解説します。クレーム対応メールは、基本的には次のような要素を取り入れて構成すると良いでしょう。
- 商品・サービスを購入していただいたお礼
- 発生したクレームに対する謝罪
- クレームが発生した原因・理由
- 改善策・代替案の提示
- 重ねてのお礼・お詫び
商品・サービスを購入していただいたお礼
まずは、あいさつとあわせて商品やサービスを購入いただいたお礼を述べます。「いつも弊社商品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます」といった一文を添えましょう。
発生したクレームに対する謝罪
今回発生したクレームに対して謝罪します。起こった出来事を整理し、何に対しての謝罪なのかを明確に伝えましょう。
クレームが発生した原因・理由
次に、なぜクレームが発生したのかという原因・理由を説明します。具体的な原因がわからない場合、内部調査を行い、実際に調査した結果を伝えるのがベストです。
改善策・代替案の提示
原因が判明した場合、どのような改善策をとるのか、再発を防止する手段などもあわせて記載します。
商品やサービスに欠陥・不備がある場合には、代替案として商品を交換する、お詫びの品を差し上げるといった代替案も提示します。
重ねてのお礼・お詫び
最後に、お礼やお詫びの言葉を重ねて述べ、メールを終えます。
クレームメールに対する返信の例文
続いて、クレームメールへの返信に使える例文を紹介します。個人に対して返信するための例文と、法人に対して返信するための例文をそれぞれ見ていきます。
個人向け(BtoC)の例文
〇〇〇〇〇様
平素より弊社のサービスをご利用いただき、心より御礼申し上げます。
株式会社〇〇〇の〇〇〇と申します。
この度はお客さまに対し、弊社販売員が大変失礼な応対をいたしましたこと、大変申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。
ご指摘の点につきましては弁解の余地もありません。担当販売員には、〇〇様よりいただきましたご連絡の内容を伝え、厳しく注意いたしました。
〇〇様の貴重なご意見を参考に、販売員教育の在り方を見直し、お客さまが快適にお買い物をいただけるよう社員一同、サービスの向上に誠心誠意努めて参る所存でございます。
今後とも、変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
企業向け(BtoB)の例文
〇〇〇〇〇株式会社
〇〇〇部 〇〇〇様
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
株式会社〇〇〇〇の〇〇〇でございます。
さて、この度は弊社製品の不備により、ご不便をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
本件につきましては、品質管理部にて原因を調査中でございます。お時間を頂き大変恐縮では御座いますが、原因解明につきましてはお時間を頂戴致したく存じます。
尚、確認ができ次第、品質管理部の〇〇〇より〇〇〇様へ速やかにご報告致します。あらかじめご承知おきくださいますようお願い申し上げます。
また、以後このような欠陥商品を見逃さぬよう、原因がわかり次第、社員一同で情報を共有し、再発防止を徹底する所存でございます。
この度は誠に申し訳ございませんでした。
まずは取り急ぎご連絡申し上げます。
クレームメールへの適切な返信で相手との信頼関係を築こう
クレームを入れる相手は、本来は会社の商品やサービスに期待しています。
クレーム対応と再購入決定率の相関関係を計量化した三つの法則により構成される「グッドマンの法則」というものがあります。
第一の法則では、不満を持った顧客の苦情を迅速に解決できれば、82%の高確率でリピーターになってもらえるという結果が出ています。
また第二の法則では、商品に不満を持った非好意的なクチコミは好意的な場合の2倍以上の人に伝えられ、さらに第三の法則では、企業の適切な情報提供が消費者と企業の信頼関係を築けるそうです。
そのため、常にお客さまからのクレーム対応について、真摯に対応していくことが重要です。