カスタマーサポートのDXスペシャリスト「CRE」とは?
カスタマーサポートのDXにおいて重要な役割を担うスペシャリスト、それが「CRE」です。「CRE」とはCustomer Reliability Engineering(顧客信頼性エンジニアリング)の略。デジタル、テクノロジーの知見を持って現場の課題を解決し、事業を推進していく重要な役割を担います。近年生まれた職種であるため、その定義は様々ですが、一般的にはカスタマーサービス、カスタマーサポートの問題をテックで解決する専門の職種と位置づけられます。
コールセンター業務に関わるCREの業務内容はとしては以下のようなものが挙げられます。
- 自動対応や自動ルーティングによるカスタマーサポートの実務の効率化
- オペレーター応対時のデータへのアクセスを簡略化など、業務オペレーションの改善
こちらはあくまで一例にしか過ぎませんが、総じて、「顧客体験向上」「効率化」「最適化」が業務の主な内容になります。コールセンター、カスタマーサポートのDX推進には欠かすことの出来ない存在です。
なぜ、今CREが求められているのか?
CREという役職が生まれた背景は諸説ありますが、googleが提唱したとするのが最も有力です。Google Cloud Platform Japan Blogにその誕生の背景に詳細な記述があります。
簡潔にまとめると「クラウド化に伴いカスタマーサポートの役割の変革が求められる中、顧客の不安と取り除くために生まれた」というのがその背景です。
CREの役割・求められるスキル
CREの役割はデジタルのアプローチを用いることで、現場のメンバーだけでは生み出せなかった課題解決へと導くこと。企業が抱える課題は状況に応じて様々ですが、CREの役割とは主に以下の2点に集約することができるでしょう。
- カスタマーの不安を取り除くこと
- エンジニアリングの視点で信頼感を高めるための活動を行っていくこと
同じカスタマーサポートでも業種業態によって信頼性を上げるための施策はもちろん変わってきますが、この2つの役割を実現することがCREの役割といえるでしょう。これらを実現するために求められるのは以下の4つのスキルです。
- データ分析・統計の知識
- WEB開発の経験
- 現場のメンバーとのとのコミュニケーション能力
- 未知のテクノロジーへの対応力
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.データ分析・統計の知識
CREには顧客データと向き合い、洞察力をもって「仮説、実行、検証」を繰り返していくスキルが求められます。そのためデータ分析・統計に関する最低限の知識は必須で身につけておきたいところです。
2.WEB開発の経験
業務の課題解決を行う上で、WEB開発がどのような体制・フローで行われているかを理解することが求められます。
3.現場のメンバーとのコミュニケーション能力
CREの役割は業務フローを改善し、体験の向上を行なっていくこと。そのため現場の業務への深い理解は欠かすことができません。現場のメンバー抱えている細かな課題を丁寧にすくい上げながら、仕組みごと改善していく視点が必要とされます。
4.未知のテクノロジーへの対応力
必須スキルで、さらに『課題に応じて知識をインストールできる』ことが求められます。日々移り変わるテクノロジー、ツールにアンテナを張り、知識のキャッチアップを怠らない姿勢が何より重要なCREの資質といえるでしょう。
CREになるためには?
キャリアプランとしてはWEB開発などの経験のあるエンジニアが、CREに転職する。反対に、コールセンター・コンタクトセンターのオペレータやSV(スーパーバイザー)など現場での豊富な経験を持った人間がデジタルの知見を身につけてCREの役割を果たすというケースが多いです。デジタル・現場、どちらかのバックグラウドを持った人間ならば十分にアプローチが可能です。まだまだ新しい概念・職種であるため、それぞれのCRE像をこれから作り上げていく段階にあるといえます。
CREの目的はあくまで「カスタマーの不安を取り除く」こと
CREの役割はあくまで「カスタマーの不安を取り除く」こと。そのため、会社の置かれた状況や事業やごとにCREが取り組むべき施策は変化します。正しい知識を身につけ、健全な運用体制を築いていきましょう。