アドバイザーからコールセンターまで、幅広く活用されているチャットボット活用例

カラクリ編集部

2019.04.01

チャットボットとの会話

チャットボットとは?

最初に、チャットボットとは何かについてご説明しましょう。簡単に言うと「人間のような会話を自動で行うプログラム」を指します。

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チャットボットは大きく分けて2種類あります。

  • AI(人工知能)を搭載したチャットボット
  • 「人工無能」と呼ばれるチャットボット

チャットボットの種類別にもう少し詳しくご紹介します。

チャットボットの種類の解説

1. AI(人工知能)チャットボット

AIチャットボットは、過去の会話履歴をデータとして学習させることによって、ユーザーの言葉の意味を推測して対応できるのが特徴です。キーワードを拾うだけでなく、文章全体を読み取って、より人間らしい会話を可能にします。現時点ではまだ連続する発言の文脈まで読み取ることは出来ず、人間と同じレベルの高度な会話を行うことはできませんが、AI技術の進化によって、コンピューターの会話力はより自然で人間に近づいたレベルになりつつあります。

2.人工無能型チャットボット

人工無能型のチャットボットは、あらかじめ人間が決めたシナリオに沿って、ユーザーが入力した文章からプログラムが自動的にキーワードを拾い上げて応答します。AIチャットボットとは異なり推測は行わないものの、大量の会話データを登録しておくことが出来れば、人間の発言を理解して回答を提示しているように見えるのです。

たとえば、ホテル検索用のチャットボットで「新宿」「5000円以内」と入力すると、そのキーワードに従ってプログラムがWeb検索を行い、新宿近辺のホテルを教えてくれるという具合です。今現在普及しているチャットボットの大半が、この人工無能です。

こうしたチャットボットをビジネスで活用するメリットは様々なものがあり、たとえば24時間365日フル稼働することで、営業時間外でもお客様のお困りごとを解決できたり、コミュニケーションの自動化による人員や手間の削減ができたり、ユーザーに密接したマーケティングを行えることなどが挙げられます。

チャットボットとスマホ会話

チャットボット導入事例

では、チャットボットが実際のビジネスでどのように活用されているか、事例をいくつか見てみましょう。

株式会社三井住友銀行

チャットボットを活用している企業の好例として、株式会社三井住友銀行が挙げられます。

国内の銀行では初めてチャットボットを導入しており、IBMのAI「ワトソン」を平成26(2014)年からコールセンターで活用しています。

このシステムは「AmiVoice」というワトソンを用いた音声認識システムを使用しており、顧客からの問い合わせを文章化して、問い合わせに対する回答候補を絞り込んでオペレーターに提示します。

ワトソンによる回答提示の精度は極めて高く、正答率(提示された回答の中に適切な回答が含まれている確率)90%という驚くべき数値を出しています。

この取り組みは、企業情報化協会が主催する「カスタマーサポート表彰」でも優秀賞を受賞しており、また顧客満足度の向上にも繋がっています。

同行がチャットボットを導入した目的は「顧客満足度の向上」であったため、チャットボットを活用し、目的を達成した代表例と言えるでしょう。

ヤマト運輸株式会社

上記でご紹介したチャットボットは、使用するために専用ソフトやWebサイトにアクセスする必要がありますが、現在ではLINEなどのコミュニケーションアプリ上で手軽に話せるチャットボットが登場しています。

このタイプのチャットボットを導入しているのがヤマト運輸株式会社で、同社では平成28(2016)年からチャットボットによる問い合わせサービスをLINE上で展開しています。

使い方は簡単で、同社の公式LINEアカウントを追加してクロネコIDを登録するだけで使用可能です。チャットを通じて配送状況確認や受け取り日時の変更などが行えます。

従来、日時変更などは配送センターに電話し、荷物番号を伝える手間と時間がかかりましたが、チャットボットであれば「日時変更」「(送り状番号)」「明日の夕方」と入力するだけで手続きが完了します。

こうしたサービスを、慣れ親しんだLINEアプリ上で手軽に使えるため、サービス性や顧客満足度の向上につなげやすく、またオフィス内の人員が電話応対に時間を割く必要も削減できます。

今後もAI技術の進化によってチャットボットの会話力が向上していくと共に、さらに多くの場面で活用が進んでいきそうです。

まとめ

チャットボットはLINEやSkypeのような「チャット形式」という慣れ親しんだ手段で利用できるため、アプリの操作に一から慣れる必要もなく、簡単に使用できます。

また、キャラクターが設定されていれば親近感も生まれやすく、カスタマーのエンゲージメント率や満足度の向上を図るには画期的なツールと言えます。

現在、数多くの企業がチャットボットを導入し、様々な場面での活用が進んでいます。成功事例や、逆にうまくいかなかった事例などを幅広く参照しながら、自社のビジネスに適したチャットボットの活用方法を考えてみませんか。

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