導入事例

株式会社カカクコム

ナレッジ運用の進化が月450時間の削減と意識改革を実現

国内最大級の購買支援サイト「価格.com」をはじめ、多様なサービスを展開する株式会社カカクコム。カスタマーサービス部には日々多種多様な問い合わせが寄せられ、その対応は迅速さと正確さが常に求められていた。

ナレッジが整備されていても、検索が難しいシステム。対応品質のばらつきと、育成に時間がかかる課題。限られたリソースで顧客満足を高めるために、解決すべき障壁は少なくなかった。

そこで同社が選んだのは、ナレッジ活用を支援する「KARAKURI assist」の導入。多様なツールを比較検討し、操作性の高さと安心感を決め手に採用を決定。全社規模のトライアルを経て、現場に浸透する運用を築き上げた。

月450時間の業務時間削減と、メンバーの意識変革を実現するAI活用の第一歩。その先に見据える、顧客体験と生産性を両立するサポートの未来とは。

株式会社カカクコムについて

ーまず、株式会社カカクコムについて教えてください

株式会社カカクコムは、購買支援サイト「価格.com」、レストラン検索・予約サービス「食べログ」、求人情報の一括検索サービス「求人ボックス」など、人々の生活と密接に関わる多様なインターネットサービスを運営しています。

1997年の創業以来、一貫して「ユーザー本位」の価値観を追求し、「ユーザーファーストで、新しい常識を作る」というミッションを掲げており、常に生活者の視点に立ち、中立公正な立場で信頼性の高い情報を提供することで、日々の暮らしにおける最適な選択を支援し、社会に貢献することを目指しています。

顧客対応の最適化に挑むカスタマーサービス部の使命

ーカスタマーサービス部の体制とミッションについて教えてください

カスタマーサービス部では、現在5つのチームがそれぞれの役割に応じて業務を担っています。部門全体のミッションは、お客様の満足度を追求しながら、限られたリソースで最大限の成果を上げることです。特に、メールや電話といった1件ごとの問い合わせ対応において、いかにスピーディーかつ正確に対応できるかを重視しています。

また、「価格.com」をはじめとするサービスにおけるカスタマーサポート業務の対応工数の最適化にも取り組んでいます。これは、既存業務の効率化を通じて、新たに発生する業務にも柔軟に対応できる体制を整えることを目的としています。具体的には、新サービスの導入提案や、部門全体のITスキル向上を目的とした啓発活動などが進められており、生産性と顧客対応品質の向上の両立を目指しています。

対応品質の均一化を阻むナレッジ検索と運用の限界

ーどのような業務上の課題がありましたか?

カスタマーサポート業務では、各メンバーが個別に問い合わせ対応を行っており、対応品質やスピードにばらつきがある点が課題でした。社内での教育体制は整備しているものの、やはり人による対応のため、一定のばらつきは避けられません。

また、メンバーごとにスキルアップのスピードにも差があり、属人化が発生しやすい状況がありました。これは、カスタマーサポート部門の立ち上げ当初から継続して認識していた課題でもあります。

たとえば、新人が一人前として業務をこなせるようになるまでには、業務内容によって異なるものの、一般的には数ヶ月から半年程度を要します。こうした課題に対して、まず取り組んだのがナレッジの整備でした。マニュアルや対応事例を集約し、「ここを見ればすぐに解決できる」といった情報を整理し、誰でも参照できるようにルールを定めて運用していました。

ナレッジの管理にはクラウド上のWikiツールを活用しており、チーム内では「ナレッジはここを見る」という共通認識もありました。ただし、業務ごとに使用するツールが異なっていたことに加え、ナレッジが増えるにつれて検索性の低下が課題となっていました。

特に日本語検索に弱いという特性もあり、必要な情報にたどり着くまでに時間がかかるケースも多く見受けられ、データ構造の設計や整理のルール策定がより重要になると感じていました。一方で、情報を詰め込みすぎると検索性がさらに悪化してしまうというジレンマもあり、運用の限界を感じる場面もあったのが正直なところです。

多様なツールを比較し操作性の高さからKARAKURI assistを選定

ー課題に対してどのような解決策を検討しましたか?

ナレッジ整備によって一定の標準化は図られていたものの、さらなる課題として浮かび上がっていたのが、ナレッジの検索スピードと、問い合わせ対応までのリードタイムでした。特に、お客様から問い合わせを受けてから一次返信を返すまでの対応スピードをいかに短縮できるかが重要であり、それを支援してくれるツールを探す必要性を感じていました。こうした背景から、既存の対応体制を見直し、改めてツールの導入を検討することになりました。

情報収集にあたっては、カスタマーサポート関連のポータルサイトやIT系メディアサイトのほか、展示会への参加なども通じて幅広く選択肢を検討しました。比較検討の段階では、ナレッジ管理ツール、メール対応支援ツール、チャットツールなど、複数の種類のソリューションが候補に挙がっていました。最終的にKARAKURI assistを選定した決め手は、国産サービスであることによって日本語に最適化されている点、操作のわかりやすさ、そしてサポート体制の手厚さでした。

UIが非常にシンプルで分かりやすい点も、選定した大きな決め手のひとつです。良い意味で細かな設定が少なく、メニューを開けば直感的に操作できる構造になっているため、マニュアルをすべて読まなくても「とりあえず使ってみる」ことができます。我々自身も自社サイトの運営において、FAQを読まずとも使い方が直感的に分かるような設計を重視しており、その考え方はKARAKURI assistにも通じるものがあると感じました。

50名の現場検証で操作性の高さと作業ストレス軽減を実感

ートライアルはどのように進められましたか?

トライアルの実施にあたっては、特に参加人数を制限することはせず、それまで社内でデータベース化していた情報をすべて登録し、実際にその情報がスムーズに引き出せるかを検証しました。その結果、約50名のメンバーが実際の業務で使用する形となりました。使用感については、「予想以上にシンプルなUIで、特に迷うことなく使うことができた」との声があり、操作性に対する好印象が得られました。

また、トライアル中に特に評価が高かった機能としては、メール対応時にメール作成画面から直接KARAKURI assistを起動し、ナレッジを即座に参照できる点です。ブラウザ上で複数のタブを開く必要がなく、ショートカット一つでKARAKURI assistの画面が立ち上がるため、画面遷移やマウス操作の手間が減り、作業ストレスの軽減につながりました。特に日々大量のメール対応を行うメンバーにとっては、大きな業務効率化につながると実感できましたね。

ートライアルでは、どのような目標を設定されていましたか?

KPIについては、既存の運用と並行しながらのトライアルであったため、明確な数値目標を設定することは難しく、「導入を前提とした準備期間」として全体で使い方を習得することを重視した取り組みとなりました。一般的に、こうした新しいツールの導入においては、最初に一部のメンバーでトライアルを実施し、本格展開時にベテラン社員から「従来のやり方の方が効率的」といった抵抗が出るケースもありますが、今回の導入ではそのような反発はほとんど見られませんでした。

その背景には、導入のかなり前から「〇月からこのツールを使う」という情報発信を継続的に行い、社内の意識醸成を図っていたため、スムーズな展開ができたのだと思います。

月450時間の削減を達成しメンバーの業務姿勢も前向きに

ー本格導入されてから、どのような成果が出ていますか?

本格導入後は、カスタマーサービス部全体として月間で約450〜480時間ほどの業務時間削減が実現できています。これはKARAKURI assistだけの成果ではなく、業務全体の見直しや他の施策も含めた結果ではあります。ただ、KARAKURI assistの導入がその一助となっているのは間違いありません。

また、数字には表れにくい部分ですが、メンバーの意識にも大きな変化がありました。導入当初は「本当に効果があるのか?」という懐疑的な声もありましたが、実際に効率が上がるのを実感する中で、時間に対する意識が明らかに変わってきたと思います。たとえば、以前は「少し寝かせておいてもいいかな」と後回しにしていたような案件でも、いまはメンバーの側から自発的に状況を確認したり、他のメンバーに働きかけるケースが増えています。

こうした意識の変化は、ツールの力だけではなく、昨年度から部内で共有してきた方針の影響も大きいと感じています。私たちの部門では、「お客様の満足度の向上にとどまらず、生産性も高めて会社に貢献していこう」という方針を打ち出し、ツール導入もその一環として位置づけてきました。そのメッセージがメンバーに浸透し、「ただ対応するだけでなく、成果につなげよう」という意識が高まったことが、行動の変化にもつながったのではないかと思います。これはマネジメントとしても非常に嬉しい変化ですね。

人海戦術から脱却し自然に自己解決できる仕組みへ

ー今後の展望を教えてください

おかげさまで、これまでのような「人海戦術」に頼ったサポート体制からは、少しずつ脱却できつつあると感じています。今後はさらに、サポートメンバーもお客様も“負担なく課題が解決できる仕組み”を整えていきたいと考えています。いわゆる自己解決の促進ですね。これは単なるコスト削減という視点ではなく、お客様の満足度向上にも確実につながるものだと考えています。今後もそういった領域を重点的に進めていきたいと思っています。

問い合わせという行為自体、お客様からすると決して歓迎されるものではありませんし、できればせずに済ませたいと考える方が多いと思います。加えて、問い合わせの目的がクレームや改善要求である場合、お客様にとってもストレスが伴います。だからこそ、すべての問い合わせ対応を「感動体験」にすることは難しいかもしれませんが、少なくとも納得感のある回答や誠実な対応を提供し、安心していただけるようにすることは十分可能だと考えています。

また、KARAKURI assistについては、現在のメール対応支援にとどまらず、今後さらに幅広い業務に活用できるポテンシャルを感じています。クライアントごとにさまざまな使い方や文化が生まれていくと思いますし、「こう使うと便利だった」「こう活用すると効果が出た」といった事例を共有できるコミュニティがあれば、非常に参考になると感じています。今後は、そういった場にも積極的に参加して、他社の知見や工夫を取り入れていければと思っています。

株式会社カカクコム

本社:〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南3丁目5番7号 デジタルゲートビル
設立:1997年12月
従業員数:連結:1,381名(2025年3月末 現在)
事業内容:サイト・アプリの企画運営、各種プラットフォームの提供
企業公式URL:https://corporate.kakaku.com/

取材に対応していただいた方々

​​株式会社カカクコム
価格.comカンパニー プロダクト本部 カスタマーサービス部 部長 別所 信也 氏
価格.comカンパニー プロダクト本部 カスタマーサービス部 インキュベーションサポートチーム チーフ 西入 俊吾 氏

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